雨の日が多くなってきましたが、体調にお変わりはないでしょうか。
いつも私の研究に興味を持ってくださることに感謝申し上げます。
今月の活動についてご報告いたします。
本日は大きく分けて2つございます。
1つ目が日本公共政策学会での活動報告、2つ目が日本ロボット学会学術大会での発表準備についてです。
6月4日、5日に、東京大学で本学会史上初のハイブリッド形式となる日本公共政策学会研究大会が開催されました。
この学会は法学部の方々がメインで開催しているのですが、今回私はこの学会に開催側として参画いたしました。
日本公共政策学会はその名の通り、公共政策の研究に携わる方々が多く参加する場であり、とても学際的です。
これまで私もいくつかの学会に発表者として参加したことはあるのですが、学会を開催する立場となったこと、しかも非常に多くの興味深い分野の方々が交流し知識を共有し合う学会であることにワクワクしました。
私が行った業務といたしましては、学会ホームページの作成や各種アンケートフォームの作成、5つの東京大学内の発表会場のセッティング、機材のセッティング、スタッフ指導です。
中には策然とした作業もありましたが、東京大学で開催される学会として恥じぬよう、一生懸命に準備いたしました。
学会当日は、政治学、行政学、経済学、社会学などの社会科学の研究者のみならず、企業や県庁職員などの自治体の方々も多く参加され、発表内容も多岐に渡りました。
オンライン開催が続いていたことから対面で参加者の方々と話すのは久しぶりでした。
オンライン開催の場合は、移動に時間が取られないなどの理由により参加に対する障壁が低いという利点がありますが、対面形式での利点は自然発生的な会話があることだと考えます。
今回も久しぶりの対面だということもあり、開催側として業務に多忙を極めつつ、法学部の教員の方や学会関係者の方々に私の研究をアピールする機会も得られました。
私が現在取り組んでいる研究は高齢者福祉での活用を目指したQOL推定を行うロボットの開発ですが、社会実装を実現するためには、行政や経済の観点からも議論を進める必要があります。そのため、学会関係者や参加者の方々との交流は私にとって大きな意義のあることだと思っております。
学会では、これまで関わったことのなかった公共政策の参加者から、私がこれまで考えたこともなかった視点からの意見を伺うこともでき、自分の研究に対する取り組みにより一層やる気が出ました。
学問分野は多岐に渡ります。
例えば見守りロボットの研究と一口に言っても、動きをプログラムするには情報工学の知識が必要になりますし、ロボットが人の思考に与える影響を調べるには心理学実験の手続きを踏むことになります。福祉現場の在り方を考えるには社会科学の知識も必要になるでしょう。
私は、どれも一つの分野にとどまるのではなく、あらゆる学問分野とつながり知識を共有していくことにより、これまでにない新しい価値が生み出されると信じています。
そのため、これからもこのような多岐にわたる背景を持つ方々との交流の機会があれば参加したいと考えております。
2つ目にご報告したいことは、第40回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2022)で、4月まで企業と共同研究した内容について発表することにしたことです。
本大会はロボットを用いた研究がメインの学会です。もちろん異分野交流は重要ですが、専門分野の最先端の研究に触れることにも最大限努めたいと考えています。
学会では毎年オーガナイズドセッション(OS)という、キーワードごとにまとめられた発表の場があるのですが、今年は「介護とロボティクス」というセッションが設けられました。
そのため、このセッションでの発表を目指し、現在、解析と論文の執筆をしています。
論文発表前のため、発表する内容については申し上げられませんが、リアルタイムでのQOL推定と、推定したQOLに応じた言動生成をするロボットとの関わり合いが、若年層の方々や高齢の方々に与えた影響について発表できればと考えています。
実は8月までに博士論文を大方完成させる必要があるのですが、最後にもう一つだけ実験をしたいと考えております。
そのため、今はQOLをベースとしながら、相手の状態に応じてインタラクションを自分で変えていくロボットを急ピッチで実装しています。
今はこれまでに収集した人とインタラクションした時の大規模なデータを学習している段階です。ロボットがその大きなデータからさまざまなケースにおける最適な言動を学習するまでに、まだ2週間ほどかかる見込みです。
7月には、遅くても8月には、高齢者福祉施設や参加希望者の居住家などでロボットを用いたインタラクション実験を開始したいと計画しています。
ロボット学会の発表には恐らく間に合いませんが、こちらの実験で得られた結果についても、活動報告や別の学会での発表を通じて皆様にお伝えできればと思います。
博士論文の提出期限が近づき、いよいよ博士課程も終盤となってきました。
気を緩めず、より一層研究に邁進していきますので、恐縮ですが今後も私の研究活動を見守ってくださればと存じます。
次回は、高齢者福祉研究に携わる方々との勉強会で得た知識や考えたことについてご報告できればと考えております。
(写真は学会が開催された伊藤謝恩ホールです)
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