私の研究活動に興味を持ってくださりありがとうございます.
温かいご支援に感謝申し上げます.
ここ1ヶ月の活動についてご報告いたします.
先月までは主に,映像や音声,会話内容を使ったQOL推定や,それに基づく言動生成を実装してきました.
今月は,これらのシステムをロボットに組み込み,ユーザと実際に会話をする実験を実施しました.
実験準備では,苦労した点が数多くありました.例えば, QOL推定や対話の作成と,ロボット制御では異なるプログラミング言語を用いる必要がありました.そこで,同じく情報理工学を専攻するメンバーと協力し,工夫しながら双方の連携を成功させました.また,ロボットによる自然なカウンセリングを実現するために,これまで研究に協力していただいた臨床心理士や公認心理師の発言からデータベースを作成し,臨床心理学専攻の研究メンバーとともに対話の流れを考案しました.自分1人では難しいことでも,研究メンバー同士で知識を持ち寄ることで,できることや作れるものの幅が大きく広がることを実感しました.
実験当日までの日々は実に時間との戦いで,気付くと深夜2時になってしまうほど作業に没頭することもありました.なかなかうまくいかない時もあり大変ではありましたが,やはり皆で共通の目標を持って一つのことに取り組むのは,とても楽しいことだと改めて実感しました.
実験は7日間にわたって実施し,この間に参加者の方々にはロボットと毎日カウンセリングをしていただきました.ロボットがどのような言動をすれば参加者が自己開示できるか調べるため,言動の種類が異なる3種類のロボットを用意し,参加者にはQOLやカウンセリングの質に関するアンケートに回答していただきました.
この実験を通じて,自分たちの実装したシステムに様々な反応をいただくことができました.自分たちだけでは気がつかなかった課題点も見つかり,とても貴重な機会でした.今後も積極的に使い手の方々の意見を取り入れて,高齢者福祉の現場で実際に活躍できるロボットを世の中に届けたいと考えています.
今後は実験の解析を進め,ロボットとのインタラクションの質を左右する要因を明らかにしていきます.
このように,息つく暇もなく研究を進めてきた1,2ヶ月でしたが,なんとか結果を得る段階まで来ることができました.
コロナ禍に加え寒い日々も続いていますので,皆様どうぞご自愛ください.
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