東京工業大学 物質理工学院を卒業後、2019年4月から豊橋技術科学大学 電気・電子情報工学系の助教(任期付)をしています。小さい頃から自然が好きで、いつしか環境問題に興味を持ち、学部では燃料電池、修士・博士では、全固体電池の研究に携わってきました。中高理科の教員免許、博士の時、技術経営専門職(MOT)も取得しており、教育、社会科学の視点も持ちながら、日々、研究や様々な活動をしています。趣味は、美味しいお酒を嗜むこと、バドミントン、映画鑑賞です。研究以外には「日本の科学を、もっと元気に。」することを目指して、日本科学振興協会(JAAS)の理事を務めています。(2022年8月 更新)
究極的にエネルギー密度を高めた畜電池を生み出すことを目指しています。現在の畜電池は、重くて大きく、すぐに充電が必要になります。皆さんも不自由に感じたことがあると思います。本来であれば脇役であるはずの電池(エネルギー源)がメインの課題となってしまい、現在盛んに研究開発が進められているAIロボットや空飛ぶ車などの次世代デバイスの普及を阻む可能性があります。そこで私は畜電池に関する研究を進めることで、軽くて小さい電池を世に生み出して、充電切れの心配がない世界を実現したいと考えています。
さらには、そのような蓄電池を搭載した様々なスマートデバイスが普及し、情報を収集、処理、改善に役立てられるように、人が苦手な部分は自動化し、少しでも個人が「やりたいこと」「楽しいと感じること」に充てられる時間が増えるように、したいと考えています。地球環境と共存しながら、人々がより幸せに、豊かに過ごせる未来社会の実現に貢献したいです。
未来のことを語る前に、現在広く使われているリチウムイオン二次電池(LIB)の研究開発の歴史を見てみます。1991年に初めてLIBの商品化がなされました。2019年のノーベル化学賞を吉野彰氏が受賞したことも記憶に新しいと思います。初の商品化から30年経った2021年現在、一つのセル(単セル)のエネルギー密度は2倍程度(100〜200 Wh/kg程度)に向上するのに留まっており、飛躍的な改善には至っていません。
これは、電池が様々な材料で構成されること、電子だけでなく、リチウムイオンも制御する必要があることなど、かなり複雑な反応であることが原因の一つです。この複雑さをシンプルにするために、修士・博士の5年間で薄膜型全固体電池を使って電池反応解析を行ってきました。それらの知見も生かして、画期的な畜電池を生み出していきます。野心的な目標かもしれませんが、以下のプロセスで、最終的な目標を成し遂げたいと考えています。
近年、有機電解液に匹敵するイオン伝導性に優れた硫化物系固体電解質が発見され、究極的に安全な全固体リチウム二次電池の実現が期待されています。全固体電池の実用化に向けて、高エネルギー密度化、高出力化、低コスト化などを目指した研究を行っており、主に以下の3点です。
①固体電解質は正極と負極を区切るセパレータ層だけでなく、正極・負極層にも含まれており、全固体電池を実現する鍵を握っています。固体電解質は抵抗成分となるため、Li+が高速移動可能な固体電解質材料の探索を行っています。
② 車載用途などの大型電池の実用化は、ガソリン車並みの航続距離実現が必要です。それには電池の重量・体積を維持して現状の数倍以上の電気量を蓄えられる高エネルギー密度化が必要であり、その解決のためLi+を多く貯められる新しい電極活物質の開発を進めています。
③ 全固体電池では、ナノサイズの電極活物質、Li+伝導性の硫化物系固体電解質、カーボン系導電助剤の3種類の粉末を混合した電極複合体の作製が必要です。溶液を介した液相複合化法を駆使して、電子・イオン伝導パスを制御した電極複合体の設計を行っています。
挑戦している理由は、大きく分けて3点あります。
①支援者との新しい関わり方により、理想的な関係性を実現したいです。現在の研究者は、大半の方々にとって遠い存在です。理想的には、研究者の顔が見えたり、研究内容に興味津津であったりと、科学を身近に感じてもらえる状態だと考えます。
②現代社会が抱える環境・エネルギー問題などの複雑な問題は、研究機関、行政だけでは解決できません。そのような問題解決の一助となる研究について、幅広い方々に身近に感じてもらうことが大切だと考えています。
③個人的な問題として、学部・修士・博士と多額の奨学金を借りており、返済に苦労しています。研究職の経済事情は厳しいものがあり、元々経済的な課題を抱えている方は研究者になりにくい状況です。多様な収入源を持つことは、将来、研究者を目指す人達に希望を与えることができるのではという想いもあります。
支援して下さる方に向けて、研究進捗はもちろん、詳しい背景や研究生活、研究以外の活動の話も発信していく予定です。私や私の研究を応援してくださる方、考え方に共感いただけた方には、ご支援いただけると大変嬉しいです。
Date | Plans |
---|---|
2021年9月 | academist prize開始 |
2021年12月 | 学術誌への論文投稿1 |
2022年3月 | 学会で講演(大阪) |
2022年6月 | 学術誌への論文投稿2 |
2022年8月 |
academist prize終了
(以下、2022年8月 追記) |
2022年9月 | 学会で講演 |
2022年11月 | 学会で講演 |
2022年12月 | 学術誌への論文投稿3 |
2023年2月 | 学術誌への論文投稿4 |
2023年3月 | academist Fanclub 終了 |
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