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Closed 人類到達の夢に向けて、火星で飛行できるUAVを開発したい!

Monthly

堀井樹、阿依ダニシ

筑波大学、学部生

Challenge period

2021-01-06 - 2021-05-31

Final progress report

Thu, 11 Feb 2021 12:54:27 +0900

Progresses

13 times

Supporters

3 people

Elapsed time

Wed, 06 Jan 2021 10:00:00 +0900

Comment from academist staff
火星探査の常識を変え、火星の謎を解き明かすきっかけをつくる

火星は、次に人類が到達する可能性の高い惑星といわれています。イーロン・マスク氏率いる米国SpaceXでは、人類移住を考え火星到達に向けてさまざまな開発を行っています。こうした状況から火星探査に大きな可能性を感じたという阿依さん、堀井さんは、人類の火星到達という未来に向けた1歩に、技術開発を通して貢献しようとしています。彼らが開発を進めるのは、火星探査用のUAVです。ローバーよりも広く、オービターよりも詳細な探査を可能にすることで、火星の謎解明、ひいては火星到達という私たち人類の大きな夢につなげていきます。学部生2人の志高いチャレンジに、ぜひご注目ください!

火星探査は空から行う時代へ

近年、火星探査業界はUAV探査機(いわゆるドローン型探査機)を用いた探査が注目されています。実際NASA JPLによって開発された火星ヘリコプター「Mars Helicopter Ingenuity」は、2020年7月30日に打ち上げられ、2021年2月18日に火星に着陸する予定です。

なぜ探査のために、火星でUAVを飛ばす必要があるのでしょうか。これには理由があります。火星についてはこれまでのNASAの尽力により多くのことがわかってきましたが、探査地点を数十キロから数キロほど変えるだけでまったく違うデータが得られるなど謎も増えました。火星は昔どのように海に覆われていたのか、あの赤い惑星にかつて一体何が起こったのか、生命は本当にいるのか——こうした問いに答えるためには、火星上を飛ぶことによって探査範囲を広げることが重要です。ローバーよりも広く、オービターよりも詳細な探査は、火星の謎を解き明かす鍵となっています。

火星での飛行は地球上よりはるかに難しい

しかし、UAVの飛行にとって火星はとても厳しい環境にあるといえます。重力は地球の約1/3であり有利ですが、火星の大気は薄く、その密度は地球の1%ほどです。この状況ではヘリを浮かすための揚力を発生させるのが難しくなります。たとえるならば、地球の高度約30kmでUAV探査機を飛ばそうとしているようなものです。エベレスト(8848m)の高さやジェット機の飛行高度がおよそ10km、ヘリコプターの最高飛行高度がおよそ6kmであるため、これらの3倍以上高く薄い大気の中を飛ばなければならないということです。

NASAはこの課題に挑み、実際に探査ヘリを開発しました。これにより、火星での飛行探査に可能性が生まれてきました。これを受け、私たちが定めた目標は、NASAの火星探査ヘリと比べて火星での環境でより揚力の得られる探査UAVを開発することです。

火星探査UAVにはまだまだ改良の余地がある

私たちは、火星探査UAVにはまだ改良の余地があると考えています。火星での飛行に定まった形はなく、固定翼型や気球など他にも可能性はあります。なかでも私たちはNASAと同じヘリ型に注目しました。

NASAのIngenuityは二重反転構造を採用しています。ですが、ヘリには他にも、シングルローター式やマルチコプター式、タンデムローター式など、数多くの種類があります。私たちは、これらの形状のなかでどれが火星の環境にふさわしいかを明らかにすることで、火星での探査UAV飛行をより現実的で実用的なものにしていきたいと考えています。

具体的には、揚力測定装置によるさまざまなパラメーターにおける実験を繰り返して比較検証を行ます。さらには真空チャンバーを用いて擬似的に火星の大気を再現し、ワイヤーを用いた手法で重力を再現したうえでの実験も計画しています。

これらの実験結果を踏まえたうえで、次に開発するのは機体本体です。まずは地球環境で同じ方式を採用したUAVを制作し、飛行を目指します。その後改良を重ね、最終的には最適なローターヘッドの形状を採用し、機体の姿勢制御や軽量化などを含め火星の環境に最適な機体を開発します。

Why we need your support

私たちはすでに数々の支援を受け、シングルヘリ型UAVを3機開発することに成功しています。その他にも火星の竪穴検知や地形把握のための3次元測量、自動飛行に向けたセンシング、投下機構を用いたCansat投下試験など、火星探査に必要な技術の多くに取り組み、実績をあげてきました。そしてこれから私たちは、最大の課題のひとつである「実際に火星で飛行可能な機体の開発」を進めていきます。

当初私たちは、アルバイトで得た資金などを使い、大学生活への資金的影響を大きく受けながら研究開発をしていました。ですが、現在のシングルローター式UAVを1機制作するにも大きな資金を費やさなければならず、研究開発を中断せざるを得ない状況もありました。

そうしたなか、私たちは以前にacademistのプロジェクト「UAVを用いた新時代の火星探査技術を確立させたい!」に挑戦し、資金を得ました。それ以降、世界は変わりました。筑波大学だけでなく他大学の教授などとともに山口県で実証試験を行ったり、企業の方と連携して機体の部品を制作したり、さまざまなマイコンやセンサーを搭載した投下Cansatを開発したりなど、研究の幅や可能性、レベルが飛躍的に伸びました(下記の写真は山口県での2回目の試験風景で、奥からacademistの支援によって制作した2号機「オリンポス」と3号機「マーリン」、市販ドローンのMavic miniです)。

実際に火星での飛行を目指した機体を開発しようと決断したのも、みなさまからご支援いただいた資金によりさまざまな実験や技術開発が可能になったためです。

今回の月額支援型クラウドファンディング支援により得られた資金は、火星で飛行可能なUAV開発に利用していきます。実験の結果や機体の開発状況により変わる可能性はありますが、具体的には以下の予定で開発を進めます。

- 2021年1-2月:地球上での基礎実験および機体第1モデルの着手
- 2021年3-4月:第1モデルの機体完成、飛行実験の実施
- 2021年5-6月:機体の改良点を反映したモデル2の完成、火星での飛行を考慮した新しい姿勢制御系の開発
- 2021年7-9月:新しい姿勢制御を利用したモデル3の完成、火星に似た地形での実証試験の実施
- 2021年10-11月:火星での飛行を考えた機体の大型化モデル4の完成、真空チャンバーでの機体全体試験に向けた実験モデルの開発
- 2021年12月-2022年1月:本格的火星環境下での実験の実施、機体の最終モデル5の完成

人類が火星に到達する日はそう遠くないといわれていますが、課題は山積みです。私たちは火星探査の常識を変えることで火星の謎を解き明かすきっかけを作り、人類火星到達の目標を現実的なものにしていきたいのです。ぜひ継続的なご支援をよろしくお願いいたします。

Profile

堀井樹、阿依ダニシ

阿依ダニシ:筑波大学応用理工学類B3の阿依ダニシです。本研究では機体の設計、搭載機器開発および得られたデータの解析を担当しています。B1のころから火星探査に関する研究を行っており、3回ほど国際学会に参加しました。これらの学会参加を通して火星探査におけるUAVの可能性を見出し、現在研究火星探査UAVの研究を行っています。

堀井樹:筑波大学工学システム学類B3の堀井樹です。本研究では主に機体の設計・製作・運用を担当しています。もともと、UAVに関する研究を行っていて、本研究以外にもUAVの新たな構造や活用法を提案するような研究を行っています。

Project timeline

Date Plans
2021年1月 月額支援型クラウドファンディング開始
2021年2-3月 Transactions of JSASS(国際論文集)に論文を投稿(予定)
2021年5月 第65回宇宙科学技術連合講演会へ公演申し込み(予定)
2021年5月下旬-6月 AIAA SciTech Forum 2022へabstract提出
2021年7-8月 AIAA Journal に論文を投稿(予定)
2021年8月 AIAA SciTech Forum 2022 に向け論文投稿(予定)
2021年9月 火星砂漠研究基地(MDRS)に日本からのクルーとして2週間滞在し、開発したヘリなどの実証実験を行う(確定)
2021年11月 第65回宇宙科学技術連合講演会にて学会発表(予定)
2022年 AIAA Scitech 2022にて学会発表予定

上記がメインで論文投稿および学会発表を行うものです。その他にも共著での論文提出、講演会の参加などの可能性があります。

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私たちの研究報告(限定公開資料、動画等)を毎月academistにて報告させていただきます。また論文にて、お名前と謝辞を掲載させていただきます。掲載をご希望されない方は、academistのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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