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人間の「協力行動」を説明するメカニズム解明に挑む!

月額支援型 academist Prize 3rd 採択

梅谷凌平

筑波大学、博士後期課程3年

挑戦期間

2019/06/03 - 2024/08/30

最終活動報告

2024/03/31 03:05:45

活動報告

57回

サポーター

4人

経過時間

2019/06/03 09:00:00

血縁淘汰理論と直接互恵性の限界

今回はこれまでに説明してきた血縁淘汰理論と直接互恵性の限界について説明します。

[血縁淘汰理論・直接互恵性の限界]
これまでに挙げたメカニズムは、理論的・実証的に示されている強力なメカニズムであるが説明範囲に限界があります。血縁淘汰理論は血縁関係者に対する協力しか扱えず、直接互恵性に関しても、固定的な他者との繰り返しの相互作用を必要とする点です。直接互恵性のメカニズム単体では大規模な協力を説

梅谷凌平 2021/09/30 00:59:44

理論的な予測とは異なる行動とその進化的説明の仮説

今回は直接互恵性に関する理論的な予測とは反する行動の例、およびその仮説から説明します。

[社会的ヒューリスティクス仮説]
これまでに述べてきた理論的研究に反し、実験研究において人間は一回限りの相互作用場面でも利他性を見せることがあります(Dawes & Thaler, 1988)。これに対する進化論的解答の一つが社会的ヒューリスティクス仮説です(Chudek & Henrich, 2011)

梅谷凌平 2021/08/24 00:54:06

人類において観察される直接互恵行動

今回はこれまで紹介した直接互恵性の例を紹介します。

[人類において観察される直接互恵性]
囚人のジレンマ状況における繰り返し相互作用は、人間の意思決定にも影響を与え2(自分/相手)×2(協力/裏切り)のマトリクスの均衡点を移動させる効果があります(Roth & Murnighan, 1978)。10歳から11歳の人間の子供に相互作用相手が匿名である囚人のジレンマゲーム実験を行い、一回限りの状

梅谷凌平 2021/07/28 18:55:29

今月の報告

今回は前回紹介した直接互恵的な状況において、どのような行動戦略が有効とされているかということを紹介したいと思います。

「直接互恵性」における有効な行動戦略
直接互恵状況における有効な行動戦略に関する研究は、しばしば繰り返し囚人のジレンマのフレームが用いられます(Rapoport et al., 1965)。囚人のジレンマとは二者間で行い、一般的な行動選択は協力、もしくは裏切りの2択です。ペイ

梅谷凌平 2021/06/20 15:16:52

今月の報告

今回は前回に引き続き進化ゲーム理論という、ゲーム理論に進化の概念を取り入れた枠組みを用いて明らかにされている協力の進化メカニズムについて1つ紹介したいと思います。

互恵的メカニズム②「直接互恵性」
直接互恵性は固定的な相互作用相手に対する協力を説明するメカニズムとして提唱されました(Trivers, 1971)。協力行動は一時的に適応度を下げる行為となりますが、自らの協力を受け取った受益者か

梅谷凌平 2021/05/20 17:46:52

今月の報告

更新遅くなりまして、大変申し訳ございません。前回もお知らせしましたが、所属先が移動となりました。研究する領域や内容は相変わらず協力の進化です。
今回は進化ゲーム理論という、ゲーム理論に進化の概念を取り入れた枠組みを用いて明らかにされている協力の進化メカニズムについて1つ紹介したいと思います(Nowak, 2006; Rand & Nowak, 2013)。

互恵的メカニズム①「血縁淘汰理論/

梅谷凌平 2021/04/24 10:53:42

今月の報告

前回は社会的ジレンマと経営学との関連を紹介し、幅広い分野で扱われている研究トピックであることを紹介しました。今回は協力の進化というトピックを研究するにあたり、それを後押ししてくれる?風呂敷を広げるといいますか、我々はこーんな重要な研究をしているんですよ!という時に使う売り文句のような内容を紹介します。

社会的ジレンマ状況(個人と集団の利益対立)にさらされているにもかかわらず、人間をはじめとした

梅谷凌平 2021/03/11 12:01:16

今月の報告

今回は、関連研究紹介第2弾です。社会的ジレンマというトピックと経営学との関連を紹介します。

社会的ジレンマ問題は経営学の分野においても重要な課題であり、ナレッジマネジメントがその一例です。組織内における従業員間の情報共有「ナレッジマネジメント」は、組織全体にとって大きな資産となりえます。しかし、情報を提供する個人にとってはコストを伴い、他の組織メンバーの情報にフリーライドする要因が構成員には存

梅谷凌平 2021/02/24 00:23:37

前回までの研究の結果は前にも載せたかもしれませんが、オンライン学術誌であるPLOS ONEに掲載されています。ご興味ありましたら是非ご一読ください。

今回から、私がこれまでに行ってきた研究の関連研究を紹介し、私の研究の位置づけをとらえていただければと思います。私は本年3月をもって所属大学院を卒業する見込みでありますが、4月より筑波大学大学院博士後期課程へ所属を移し、研究を継続していきます。研究

梅谷凌平 2021/01/17 18:33:48

前回までのおさらい
 社会的ジレンマにおける協力を説明するメカニズムの一つが「間接互恵性」
 その善悪の判断は規範と呼ばれ、最も単純な規範はイメージスコアリング(Nowak & Sigmund, 1998)
 イメージスコアリング・・・観察している人が、協力していれば善、裏切れば悪
 イメージスコアリングは、完全な非協力者による誤差や侵入に弱く、進化的に安定しない(Sigmund,

梅谷凌平 2020/12/11 16:43:12
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