南米先史社会「シカン」の発展と衰退の謎を解明したい

支援総額
1,538,455円
達成率
118%
サポーター
96
残り時間
終了

プロジェクト内容 コメント 68 進捗報告 6

目標金額を達成しました!


皆様のおかげをもちまして、目標額の130万円を達成することができました。支援金とともに頂いた皆様からの応援メッセージも私の大切な宝物になりました。このような形で新しいプロジェクトを立ち上げられることを大変嬉しく思います。これを新たな一歩として、これからも研究活動に邁進する所存です。頂いた支援金は大切に使わせていただきます。以降、プロジェクトの進捗状況をアカデミスト・ウェブサイトおよびプロジェクトのFacebookページにてお知らせしますので、随時ご確認下さい。ありがとうございました!

academistスタッフからの一言

今から約1000年前に南米ペルーで栄えた「シカン」の社会。まだ当時は文字がなかったため、どのようにして繁栄し、衰退していったのかは土の中の遺物から推察するしかありません。広大な土地での戦略的な発掘をとおして、少しずつ当時の人たちの暮らしぶりや風習が明らかになってきています。「急激な繁栄・衰退の裏に何があったのか、遺物から明らかにしたい!」と意気込む松本さんの調査に注目です。

シカンの研究 ー発掘あるのみ!ー

シカンは、世界遺産のマチュピチュで知られるインカ帝国よりもさらに約500年前に、ペルー北部海岸・ランバイェケ地方で栄えた先史社会です。ペルーの海岸地域において最大の農地を誇るこの地での灌漑農業はシカンに強固な経済基盤を与え、高度な冶金技術の発達による合金製品の大規模生産や、遠距離交易による覇権の拡大を可能にしました。ところが一方で、旧大陸で文明の礎となった鉄器や車輪、文字や活版印刷の発明などは最後まで行われませんでした。16世紀前半にスペイン人がやってくるまで南米には文字がなかったため、それ以前の歴史を明らかにするためには、考古学発掘に頼らざるを得ません。文字に残されていない歴史を、当時の人々が残した物的痕跡から少しずつ紐解いていくことが、この地の考古学研究の醍醐味です。


明らかにしたい2つの問い

これまでの研究によって、シカンは複数の異なる集団からなる多民族社会であったことがわかっています。これは、遺伝的に異なる人々の遺体が、異なる様式で埋葬され、デザインの異なる副葬品とともに見つかることなどから明らかになりました。また、武器や要塞遺跡、外傷をともなった遺体などが一切見つかっていないことから、ほとんど武力衝突がなかったことが推察されます。私の研究テーマのひとつは、どのようにして多民族間の調和が保たれていたのかを明らかにすることです。今、私たちが生きている社会の平和を考える上でもとても重要な問いです。博士論文のための調査では、首都の中心地で定期的に宴を開いた痕跡が見つかりました。社会的地位や文化的アイデンティティの異なる人々が招かれ、高価なシカ肉やトウモロコシのビールなどでもてなされたことがわかりました。ただしこの時の発掘区はとても小さく、より広い範囲を発掘してみなければ、どのようなことが行われていたか詳しいことは分かりません。


シカン衰退の経緯を知りたい

そして、もうひとつの研究テーマが、シカン衰退の経緯を明らかにすることです。一時は隆盛を誇ったシカンも、その繁栄は950年から約150年ほどしか続きませんでした。1020年頃から30年に渡って続いた大干ばつと、それに続いて1050年から1100年の間に起こった「メガ・エルニーニョ」と呼ばれる凄まじい気象変動を機に衰退の兆しを見せます。豪雨や洪水によって住居や農地が破壊されたまま放棄されたり、これと機を同じくして、それまで信仰されていた「シカン神」の偶像崇拝がなくなったり、首都の主要ピラミッドが燃やされたり、といった興味深い物的痕跡が記録されています。私は発掘調査によってより多くの物的証拠を集め、その分析を通じて、どのようにしてシカンの政治や宗教が力を失っていったのかを明らかにしたいと思っています。


研究費サポートのお願い

これらの問いを明らかにするため、今回私は、シカンを支配していた貴族たちのピラミッドが囲むようにして作られたスペース、通称「大広場」の発掘を行いたいと思っています。首都の中心に位置し、複数の貴族家系をつなぐこの大広場では、さまざまな人々を招いて、宗教や政治にかかわるイベントが行われてきました。発掘区を拡大することによって、多民族社会における共存のためのヒントや、シカンの繁栄や衰退の歴史を明らかにするための痕跡が見つかる可能性が非常に高く、とても楽しみにしています。

一方で、発掘費用の工面に困っています。みなさんは、考古学調査と聞いてどのようなイメージをお持ちになるでしょうか?発掘は、通常2〜3ヶ月をかけて、数十名の作業員が総動員となって行われます。さらに調査員は発掘現場近くに宿舎を設営し、調査期間中の寝食をともにするため、膨大な費用がかかります。また、専門的な機器を導入したり、専門家を招き入れようとすれば、さらに費用がかさみます。今回は、比較的エリアを絞った集中発掘となるため、20名程度で1ヶ月半の調査を予定しております。皆様には是非academistを通じて費用のサポートをお願いしたく思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。



academistJounalに掲載中のインタビュー

研究計画

以下のスケジュールで研究を進めていきます。

2015年02月~2015年04月 クラウドファンディングに挑戦
2015年06月下旬〜07月下旬(5週間) 調査/データ分析
2015年08月〜2015年12月 報告書作成および論文執筆

リターンの説明

1,000円(税抜)

注目のリターン:シカン壁紙

  1. シカン壁紙 

シカン文化に関連する選りすぐりの壁紙をお送りします。これまでの発掘で出土した製品に刻まれたデザインの一覧は、思わず見入ってしまうと思います!

現在、12人のサポーターが支援しています。

( 数量制限無し )

3,000円(税抜)

注目のリターン:オリジナル拓本しおり

  1. オリジナル拓本しおり 
  2. シカン壁紙 

パレテアダと呼ばれる文様土器の破片から取った拓本を、しおりにしてプレゼントいたします。ここで言う拓本とは、古銭研究に使われる拓本技術によって、模様を土器片から油性の墨で画仙紙に直接写し取ったものです。ラミネート加工した後に現地産の(未染色な)カラフルな綿紐をつけてお送りします。

現在、17人のサポーターが支援しています。

( 数量制限無し )

5,000円(税抜)

注目のリターン:壁画デザインTシャツ

  1. 壁画デザインTシャツ 
  2. シカン壁紙 

過去にシカンの支配地域で発見された神殿内部に書かれた壁画をデザインにしてTシャツを作りました。 TシャツのサイズはS, M, L, XLからお選びいただけます。

現在、26人のサポーターが支援しています。

( 数量制限無し )

10,000円(税抜)

注目のリターン:考古学体感ムービー

  1. 考古学体感ムービー 
  2. 壁画デザインTシャツ 
  3. シカン壁紙 

現地には行けなくても、考古学研究を体感してみたい方に今回のプロジェクト動画をお送りします。シカン研究の基礎知識や、今回の調査の目的、現地での調査の様子、得られた結果などをまとめた動画になります。発掘者視点から撮影された動画なども織り交ぜまぜながら、現場の雰囲気を可能な限りお伝えします!

現在、29人のサポーターが支援しています。

( 数量制限無し )

30,000円(税抜)

注目のリターン:論文贈呈(謝辞に氏名掲載)

  1. 論文贈呈(謝辞に氏名掲載) 
  2. 考古学体感ムービー 
  3. シカン壁紙 

今回の調査に関する学術レポートをお送りいたします。発掘調査で集めた物的証拠を元に、当時の真相に一歩近づくご報告ができればと思っています。ご希望者には、論文謝辞にご氏名を記載させていただきます。ご送付は2016年上旬の予定です。

現在、5人のサポーターが支援しています。

( 限定5個 )

50,000円(税抜)

注目のリターン:模写図版フレーム

  1. 模写図版フレーム 
  2. 考古学体感ムービー 
  3. シカン壁紙 

出土した遺物を精密に模写した図版をお送りします。細かに詳細を描写したものを、フレームに入れてお送りいたします。以前に考古学好きの友人にプレゼントをして、とても好評だった自慢の一品です!

現在、2人のサポーターが支援しています。

( 限定5個 )

100,000円(税抜)

注目のリターン:ギフトセット

  1. 模写図版フレーム 
  2. 論文贈呈(謝辞に氏名掲載) 
  3. 考古学体感ムービー 
  4. 壁画デザインTシャツ 
  5. オリジナル拓本しおり 
  6. シカン壁紙 

壁紙、しおり、Tシャツ、動画、論文、図版フレーム、今回のプロジェクトで用意した全てのシカングッズをまとめてお送りいたします。

現在、2人のサポーターが支援しています。

( 限定5個 )

150,000円(税抜)

注目のリターン:発掘調査参加

  1. 発掘調査参加 

2015年6月22日~7月24日に実施予定の発掘調査にご参加いただける権利を差し上げます。プロジェクトメンバーとともに宿舎で生活しながら、発掘調査を実体験していただきます。経験不問、スキル不要です。現地での生活費はプロジェクトで負担します。全期間でも、一部のみのご参加もかまいません(具体的な旅程については応相談)。また、週末には現地周辺の遺跡や博物館めぐりなども予定しています。ただし、現地に来られる際の、旅費、交通費、旅行保険費等は別途自費になりますので、ご了承ください。

現在、3人のサポーターが支援しています。

( 限定5個 )

サポーターからの応援メッセージ 68 件中 11-20 件を表示


Tomoyuki Nakao

Tomoyuki Nakaoさん

考古学の魅力を丁寧かつ的確に伝える文章に感心いたしました。
同じ業界に携わるものとして、クラウドファンディングの成功
と、発掘での大きな成果の結実を祈っています。
わずかで申し訳ないのですが、支援させていただきます。
身体に気をつけてご活躍ください!

2015-05-06 07:56:54

Nakao様、ご支援いただき、ありがとうございます!!!同業の方に褒めていただくことはとても大きな励みになります。新しい資金獲得の道を切り開くことは考古学にとってとても重要なことだと思っていますので、今回の成功がよい前例になれば何よりです。

森 和重

森 和重さん

松本さん、
アンデス研の森です。ご健闘をお祈りします。

2015-05-06 03:49:07

森さん、大変ご無沙汰しております!ご支援いただき、ありがとうございました。おかげさまでなんとか達成できました。いつか発掘成果をもとに研究会でお話しさせていただけるよう精進致します。

桜井 敏浩

桜井 敏浩さん

アンデス文明研究会幹事の桜井 敏浩です。
ささやかながら応援します。

2015-05-05 23:39:10

桜井さん、ご支援・情報拡散ありがとうございました。アンデス文明研究会は僕のキャリアの原点です。新しいデータをたくさん持ち帰って、また何らかの形で研究会に還元させていただければと思います。

mri

mriさん

応援しています。頑張ってください!

2015-05-05 22:58:00

mriさん、ご支援いただき、ありがとうございました。これからも頑張りますので、応援のほどどうぞ宜しくお願い致します!!!

Tokuko  Murata

Tokuko Murataさん

プロジェクトの成功を祈っています!!\(^o^)/

2015-05-05 22:17:25

Tokukoさん、ご支援いただきまして、ありがとうございます!なんとかプロジェクト実現の第一歩は達成できました。次はプロジェクトそのものの成功を目指します!

chaski

chaskiさん

あとひといきですね。
遅くなってすみません。
素晴らしい前例になりそうです。
楽しみにしています。

2015-05-05 17:58:56

チャスキさん、いつもお世話になってます!今回もご支援・ご協力ありがとうございました。今回、新しい資金獲得の方法を示せたことは、考古学にとって重要だったと自負しています。考古学ファンは結構多いはずですから、研究対象の面白さを簡潔に伝えられればこれからも可能性はあると思っています。ゆくゆくは僕のお師匠みたいに大きなお金を引っ張って来れるような研究者になれるよう努力します。

Risa Miyanaga

Risa Miyanagaさん

わずかですが、応援してます!頑張って下さい!!

2015-05-01 07:54:32

りささん、ご支援ありがとうございます!こんなにもたくさんの方々に応援してもらえていること、とてもうれしく思います!!!これからも頑張ります。

Ai Saito

Ai Saitoさん

剛さんの挑み続ける姿勢にいつも励まされています。陰
ながらですが、応援しています。

2015-05-01 05:55:48

愛ちゃん、サポート&情報シェアありがとねー!!!とっても嬉しかったよー!!!きっと僕は挑戦中毒なんだと思います(笑)。一度うまく行っちゃうと、また成功の喜びを味わいたくなって止まらなくなるね。

Yonekura Goushi

Yonekura Goushiさん

頑張ってください!

2015-05-01 03:52:39

ゴウシくん、サポートどうもありがとう!!!頑張ります!みなさんに楽しんでもらえるよう、新しい発見をしてきますから、どうぞ期待していてください。

Yukinori Kawae

Yukinori Kawaeさん

些少ですが、ご支援させて頂きました。プロジェクトが無事に開
始し、そして、実りある調査になるようお祈りしております。

2015-04-30 18:08:25

河江さん、ご支援・ご協力どうもありがとうございました!!!なんとか達成できました。目標額を達成できたこと自体はもちろんのこと、考古学分野で成功例を作れたことをとても嬉しく思います。色々な努力や工夫、周囲の協力が必要ですが、新しい資金獲得の可能性を示せたことは大きいと思います。今後とも宜しくお願い致します(6/6の講演会に行けるよう予定を調整しています!)。

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2015-07-15 15:46:08

来夏の調査では限られた時間内にかなりスピーディに作業を行わなければならないため、遺構や遺物分布を記録する際に、従来の手書きスケッチは行わず、写真撮影による三次元測量という新技術を導入することに決めました。データ処理にはAgisoft社のPhotoScan Professional Editionを使用します。現場ではたくさんの写真を撮影するだけで、三次元モデルの作成はすべてソフトが自動でやってくれるのでとても楽チンです。これにより大幅に時間短縮が可能になるだけでなく、手書きスケッチよりも正確な記録が可能になります。

今日はそのPhotoScanを使ってモチェの鐙型土器(レプリカ)の三次元モデルを作ってみました。一眼レフをアメリカに置いてきてしまったので、写真はiPadで撮りました。遺構と違って、遺物の三次元モデルは元の写真をマスキングをしないといけないので結構手間がかかります。朝一で写真撮影をし、ユーザーマニュアルを見ながら作業して、昼飯前までかかりました。写真を全方向から上手に(オーバーラップを考えて)撮らないと穴あきモデルになってしまいます。まだ使い始めたばかりですが、少しだけコツが掴めたように思います。

GoProによる動画撮影と同様、調査までにしっかりと操作方法をマスターしないとけません。

※プロジェクトのFacebookページには画像をアップロードしています。https://www.facebook.com/LambayequeComplexAP/posts/381860382009922

2015-07-14 13:16:36

外国籍の考古学者がペルーで発掘をするためには、プロジェクト内にペルー人共同ディレクターを置かなくてはいけないという決まりがあります。ここ数週間、そのための候補者を探っていましたが、数名の候補者の中で、運良く以前からよく知っている人と条件面(調査期間および給与)で折り合いがつき、本日合意に達しました。

Lurica Hayakawa(ルリカ・ハヤカワ)さんという方で、リマ在住の考古学者です。お名前から分かるように日系人ですが、日本語は一切話せません(笑)。彼女の他にもペルー人学生やアメリカ人学生を何名か迎え入れる予定ですので、日本から参加の発掘クルーは最低限の会話ができるくらいのスペイン語・英語習得が必要です。まだだいぶ時間がありますので、勉強頑張りましょう。

2015-07-05 13:10:09

先日、リターン品の一つである考古学ムービーの製作用にビデオカメラを購入しました。完全防水・防塵なだけでなく、4K動画が撮れる優れものです。これを発掘者の頭部に装着して、考古学者視点の映像を撮ります。また、ドローンに取り付ければ、簡易的ではありますが、空撮からの三次元測量も可能になります。ただ、使いこなせるようになるには色々と慣れが必要なようで、日々試行錯誤を重ねています。そのうちテスト動画をFacebookページ(https://www.facebook.com/LambayequeComplexAP)にアップしたいと思います。

2015-07-05 12:39:00

本日、皆様からの支援金の振込みを確認致しました。ありがとうございます。大切に使わせて頂きます。円安が進んでいますが、来年の夏前までに振り戻しがあることを祈っています。ベストなタイミングを狙って米ドルに換金します。

2015-06-25 07:17:14

先日新橋にて、来年の発掘調査に参加するメンバーと顔合わせを兼ねたミーティングを行いました。とてもユニークなメンバーが揃いました。そして幸いなことに、みなさんとても人懐っこい。初めて顔を合わせたとは思えないほどお互いに打ち解けることが出来、これは良いチームになると確信が持てました。調査開始までの1年弱の間に少しずつ結束を高め、ベストなチームを作り上げたいと思います。

2015-05-07 22:26:45

調査支援者の皆様へ

ニュースなどですでにお見知りおきかもしれませんが、今年は約17年ぶりに(1998年以来)非常に大きなエル・ニーニョが来ており、南米各地で異常気象が記録されています。私たちの調査地域を含むペルーやチリ北部では、大雨とそれに伴う川の増水や氾濫、地滑りなどが大きな問題となっています。現地の状況を鑑みた結果、以下にご説明しますように、調査をしばらく延期せざるを得ないと判断致しました。皆様からは「今夏に発掘調査を行う」ということでご支援を賜ったため、スケジュールの見直しについて皆様のご理解をいただくため、ご連絡させていただいた次第です。

エル・ニーニョとは、「エル・ニーニョ南方振動(El Nino Southern Oscillation)」の略で、英語では頭文字をとってENSOと呼ばれることもあります。簡単に説明しますと、太平洋上の大気と海水の温度の上昇によって引き起こされる気象現象のことです。毎年クリスマス近くに、暖かくなった太平洋の海水が通常の流れとは逆流し、赤道に沿ってペルー沖に流れ込んできます(エル・ニーニョとはスペイン語で「赤ちゃんキリスト」を意味します)。この暖流の流入によって、普段はペルー沿岸を北上している寒流のフンボルト海流が押し戻される形になり、その度合いが大きければ大きいほど、さまざまな異常気象を引き起こします。海流の流れが大きく変わると、それに応じて生態系がガラリと変わるため、さまざまな生き物が死滅したり、寒流のせいでいつもは乾燥してほとんど雨が降らない海岸地帯で大雨が降ったり、その結果洪水が起きたりします。今回のエル・ニーニョはその変化の度合いが非常に大きく、各地で環境問題が多発しています。

これまでのニュースによれば、(普段は干上がっている)シカン遺跡のすぐ脇を流れるラ・レチェ川が増水し、氾濫の恐れがあるとのことでした。川が氾濫すれば発掘予定地が水浸しになることは必至です。すでに文化省の地域ディレクターが、ランバイェケ県の民間防衛対策本部当局に対して、今後起こりうる氾濫による遺跡の神殿群の浸食被害を防ぐため、大規模な防衛対策を要請しています。さらに先日(私たちの発掘調査の拠点となる)国立シカン博物館で遺物分析をしている友人と話し、調査地の現状に関して詳しい情報を得ることができたのですが、彼女の話によれば、川幅も日増しに広がっていて、去年の11月頃からすでに徒歩で渡ることができなくなっているそうです。したがって、問題となるのは遺跡へのアクセスです。宿舎を設営予定のフェレニャフェ(Ferreñafe)の町は増水しているラ・レチェ川の南側、シカン遺跡の対岸にあります。川の増水により、遺跡へは大きく迂回してイジモ(Illimo)あたりまで海岸方面へ出てから川を渡り、そこから内陸へ戻るというルートしかなく、通常ならフェレニャフェから片道30分程度で到着できるところが二時間弱かかるそうです。毎日四時間近くを移動だけに費やすのはとても非効率で、五週間という短い調査にとっては手痛い時間ロスとなります。経費が増すという点でも好ましくありません。現地情報によれば、しばらくは川の水量が減ることはないそうです。したがって、今夏の発掘はあまり現実的ではなく、少なくとも徒歩で渡れるくらいまで川の水量が減るのを待たなければなりません。

では、具体的にいつまで待てば良いのかということになります。

一つの可能性としては北半球の冬(12~1月)、ペルーの夏です。うまくいけば水量は減っているかもしれません。あまり時期を置かずに調査に入れるのは良いのですが、夏のペルーはとても暑く、蚊や蜂、ハエなどの虫も多いので、野外作業には不向きです。去年の1月にフェレニャフェに行ったときは、屋内作業にもかかわらず一日100箇所近く蚊に刺されました。これまでにマラリア(蚊を媒体に感染)にかかったという例は聞いたことがありませんが、完全にないとも言えず、不安要素の一つとなります。もう一つの可能性は来年の初夏(5~6月)、ペルーの初冬です。その頃までには水量は間違いなく減っているでしょう。予定していた時期からはだいぶ開いてしまいますが、通常なら冬は乾燥していて、気温も比較的過ごしやすいです(それでも晴れの日は30度近くまで上がります)。また、現在申請準備中の別の研究費が使える可能性があるので、その場合には五週間という限られた短い時間ではなく、調査期間を倍以上に延長できることも好都合です(5~7月)。

以上を考慮しますと、来年初夏までの延期がもっとも現実的ということになります。

考古学発掘にはこういった不測の事態がつきもので、特に自然災害などの場合は私たちにはどうすることもできず、ただ黙って現状を受け入れるしかありません。今回の延期によって、「より長い時間を準備に充てられる」と前向きに捉えるべきだと、自分に言い聞かせております。皆様には、当初提案させていただきましたスケジュールから10ヶ月強の延期となり、大変長らくお待たせしてしまうことを深くお詫び申し上げます。お詫びのしるしとして、webinar(ウェブを利用したオンラインセミナーのようなもの)を開催し、皆様をご招待することを検討しております。詳細については追ってご連絡申し上げますので、しばらくお待ち下さい。なお、延期期間中においても、プロジェクトの進捗状況をアカデミスト・ウェブサイトおよびプロジェクトのFacebookページ(https://www.facebook.com/LambayequeComplexAP?pnref=story)にてお知らせしますので、随時ご確認下さい。

以上、ご理解のほど宜しくお願い致します。

松本 剛

このプロジェクトは、
2015年05月10日 12時00分までに目標金額 1,300,000円を達成した場合のみ、決済が確定します。

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1,000円(税抜)
  1. シカン壁紙 

12人が支援しています。
( 数量制限無し )

3,000円(税抜)
  1. オリジナル拓本しおり 
  2. シカン壁紙 

17人が支援しています。
( 数量制限無し )

5,000円(税抜)
  1. 壁画デザインTシャツ 
  2. シカン壁紙 

26人が支援しています。
( 数量制限無し )

10,000円(税抜)
  1. 考古学体感ムービー 
  2. 壁画デザインTシャツ 
  3. シカン壁紙 

29人が支援しています。
( 数量制限無し )

30,000円(税抜)
  1. 論文贈呈(謝辞に氏名掲載) 
  2. 考古学体感ムービー 
  3. シカン壁紙 

5人が支援しています。
( 限定5個 )

50,000円(税抜)
  1. 模写図版フレーム 
  2. 考古学体感ムービー 
  3. シカン壁紙 

2人が支援しています。
( 限定5個 )

100,000円(税抜)
  1. 模写図版フレーム 
  2. 論文贈呈(謝辞に氏名掲載) 
  3. 考古学体感ムービー 
  4. 壁画デザインTシャツ 
  5. オリジナル拓本しおり 
  6. シカン壁紙 

2人が支援しています。
( 限定5個 )

150,000円(税抜)
  1. 発掘調査参加 

3人が支援しています。
( 限定5個 )