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Ryuhei Hatanaka / Tomomichi Fujita
博士(生命科学)、Ph.D. (Life Sciences)
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Profile

Ryuhei Hatanaka / Tomomichi Fujita

畑中 龍平
私は、大学3・4年生の頃に細胞性粘菌を用いた単細胞体から多細胞体への発生過程の研究に取り組み、修士・博士課程では線虫をモデルに、進化の過程におけるゲノム変化が形質に与える影響について研究を行っていました。現在は、株式会社デジタルブラストにて、宇宙分野におけるライフサイエンス事業の開発に携わっています。そして昨年、当社と北海道大学藤田研究室との共同研究を通じて、コケ植物の持つ潜在的な可能性に魅了されました。この経験を契機に、コケの優れた環境耐性と柔軟性を活かし、地球環境の再生から宇宙開発まで応用できるのではないかと考えるようになりました。現在は、「コケで人類の生息領域を広げる」という目標を掲げ、地球規模の環境課題の解決や宇宙環境への応用を視野に入れ、北海道大学発ベンチャーの立ち上げに向けた準備を進めています。

藤田 知道
私は、38年間にわたり陸上植物を中心とした進化や環境適応の分子メカニズムを研究してきました。現在は特にコケ植物を対象に、植物の成長制御や環境適応・極限環境ストレス耐性の仕組みの解明を目指しています。また、JAXAの「Space Moss」プロジェクトも主導し、国際宇宙ステーションにおける無重力環境下でのコケの栽培実験にも注力してきました。コケは小柄で地味に見える一方、厳しい環境でも生育する驚異的な生命力を持ち、その特性は地球環境の保全や宇宙農業への応用など、多彩な可能性を秘めていると考えています。本プロジェクトを通して、コケがもつ力をさらに引き出し、地球規模の環境課題解決に貢献するとともに、将来的には人類による他惑星での栽培やテラフォーミングを見据えた研究につなげたいと思っています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

私たちは、コケの優れた環境耐性を品種改良によってさらに向上させ、それを活用した緑化を通じて、深刻な課題である砂漠化や塩害を緩和し、人々が安心して暮らせる緑豊かな生活圏を広げることを目指しています。さらに、月や火星といった宇宙環境でも栽培可能なコケの品種の開発にも挑戦し、未来の宇宙開拓に貢献したいと考えています。

コケは、進化の過程で初めて海洋から陸上に進出した初期の陸上植物であり、根や維管束を持たないシンプルな構造を持つ一方、他の高等植物とは異なる高い環境耐性を示します。たとえば、南極の湖底、砂漠、夏場50℃を超える道路上、さらには重金属汚染地域などの極限環境でも生育可能です。日本には約2000種、世界全体では2万種以上が存在すると推定され、その多様性と適応能力は注目に値します。

近年では、火星模擬環境下で生存可能なコケが報告されるなど、その潜在的な利用価値がさらに高まっています。また、コケは生育が早く実験が容易であり、過去にJAXAの「Space Moss」と題した宇宙実験でも利用されました。この特性を生かし、地球環境の再生と宇宙環境での活用に挑戦したいと考えています。

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

まず、緑化対象環境の特性に最も適合すると考えられる在来種または近隣種のコケを選定し、その環境を模擬した条件下で紫外線などを利用したランダム変異を誘発します。

次に、誘発された変異株群の中から、対象環境で最も生育や適応性が優れた株を繰り返し選抜することで、環境適応能の向上を図ります。

最終的に選抜された環境適応コケ株を実際の緑化プロジェクトに活用するとともに、ゲノム解析を行い、耐性向上の原因遺伝子や分子機構を解明します。この知見をもとに、さらに効果的な品種改良を進めていきます。

特筆すべき点として、ランダム変異によって得られたコケ品種は、従来の品種改良作物と同様、ゲノム編集や遺伝子組換え体には該当しません。このアプローチにより、環境負荷の少ない持続可能な緑化技術の確立を目指すことが可能です。

これまでの取り組みでは、海水に近い塩濃度でも生育可能なコケ株を単離することに成功しています。現在はこの株をさらに改良し、塩害土壌が広がる海岸沿いや乾燥地域など、これまで緑化が困難であった環境への応用を目指しています。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

環境耐性の高いコケを作製するためには、さまざまな課題があります。まず、緑化対象となる環境を模倣できる栽培システムを構築し、その環境に適したコケの特性を最大限に引き出す条件を整える必要があります。さらに、選抜されたコケを安定的に大量培養できる技術の確立も重要な要素です。

今回のプロジェクトでは、特に「乾燥耐性」に焦点を当てたコケを作り出す基盤と、その大量培養技術の確立を目指します。具体的には、乾燥地での活用を想定しているため、湿度20-30%、温度20-40℃といった昼夜の環境変化を再現する栽培システムを構築します。また、必要に応じて紫外線照射を行い、新しい特性を持つコケへの変異誘導も行えるようにします。

選抜されたコケの大量培養については、水槽を用いた液体培養や、耕作放棄地を活用した野外栽培の2つのアプローチを検討しています。それぞれの方法について、生育状況やコスト、実現可能性を評価しながら、最適な条件を確立していきます。

また、使用するコケについては、高塩分濃度下で生育可能なコケを単離することに成功しているため、この成果を活用するか、乾燥に強い野生種を選定して育種を進めます。

Why we need your support

このプロジェクトを実現するには、専門的な設備や材料、そして実験を進めるための費用が不可欠です。特に、乾燥や塩害といった過酷な環境を模倣した実験環境の構築や、紫外線や放射線を利用した新たな特性を持つコケの作製には、安定した資金が必要です。また、得られたコケの選抜と解析、さらには研究協力者との連携や専門スタッフのサポートにも一定のコストがかかります。

皆さまからご支援いただいた資金は、主にプロジェクト序盤における乾燥状態を再現した栽培システムの構築や、紫外線照射装置を含む実験設備の導入に活用させていただきます。これにより、乾燥耐性が向上したコケの作製基盤を確立し、さらなる研究開発を進める土台を築くことが可能になります。

乾燥耐性を持つコケが普及すれば、これまで緑化が難しかった乾燥地域や荒廃地に新たな生態系が生まれるだけでなく、土壌の劣化防止、カーボンニュートラルへの貢献、さらには環境負荷の低減といった持続可能な未来への具体的な一歩となります。

皆さまのご支援が、この挑戦を成功へ導く大きな力となります。
どうかご支援をよろしくお願いいたします!

Recommender's comment

久米 篤
九州大学 大学院農学研究院 環境農学部門 サスティナブル資源科学講座 教授

北極の氷河地帯では、ここ30年間に多くの氷河が溶けて短くなってしまいました。数万年以上もの間、氷の下にあった地面が地上に現れると、様々な生物の定着が始まります。なかでもコケ植物は真っ先に定着し、緑化を開始します。低温で貧栄養な環境では、樹木よりも早く成長することすらあります。宇宙も含めた極限環境に向けたスーパーコケ創出研究は世界的にも注目されており、畑中さんの挑戦的コケ研究に大変期待しています。

半場 祐子
京都工芸繊維大学 応用生物学系 教授

コケ植物は、私たちの身近にある植物と比べると、とても単純な体のつくりをしているのに、驚くほどタフな植物です。普通の植物は枯れれば終わりですが、コケ植物は水をあげれば復活します。高温にも低温にも耐えられます。この強靱な生命力を支える生理的な仕組みや遺伝的背景を解明できれば、地球上の様々なストレスだけでなく、宇宙の環境に耐えられる植物も、作れるかもしれません。このような夢と可能性が満ちている本プロジェクトへのご支援を、ぜひよろしくお願いいたします。

神野 智世
北海道大学 大学院理学研究院 博士研究員

本プロジェクトは、挑戦者の豊富なライフサイエンス研究経験とコケ植物の可能性を融合させた、非常に意義深い取り組みです。コケ植物は、植物進化の初期に陸上に進出したグループであり、乾燥や低温といった過酷な環境に対する耐性が他の植物よりも非常に高いとされています。このコケ植物の特性を科学的に解明し応用することは、地球規模で進行する気候変動に対応し、多様な環境変化に適応できる植物の開発に大きく寄与するでしょう。さらに、このプロジェクトが目指す砂漠化や塩害などの地球環境問題の解決だけでなく、宇宙環境での活用への挑戦は、私たちの未来に新たな可能性と希望をもたらしてくれると確信しています。ぜひともご支援のほど、よろしくお願いいたします。

堀口 真吾
株式会社デジタルブラスト 代表取締役CEO

弊社は、宇宙利用に向けた産学官連携プロジェクトの推進に積極的に取り組んでおります。業務を通して、私たちは地球規模の課題や宇宙開発に対して科学技術が果たす役割の重要性を深く認識しており、畑中さんのプロジェクトはその象徴的な取り組みの一つであると考えております。コケは、都市や工場の緑化をはじめ、カーボンニュートラルの推進や、重金属吸着を利用した排水処理など、環境技術の分野で幅広く商業的に活用されております。本プロジェクトでは、JAXAによる宇宙コケ実験「Space Moss」や、弊社と北海道大学の共同研究で得た成果を基盤とし、コケの新たな利用価値を提示することを目指しています。環境問題の解決や宇宙開発への応用といった広範な領域に貢献する本プロジェクトに、多くの方々のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

Project timeline

Date Plans
2025年3月 新会社設立、研究環境の整備
2025年5月 北海道大学との共同研究開始
2025年8月 乾燥状態での栽培システム構築
2025年11月 模擬環境下における変異体の探索・選別
2026年8月以降 変異体における原因遺伝子の特定とメカニズム解明
2027年以降 論文執筆

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Featured : お礼のメッセージ

メールでお礼のメッセージをお送りします。
このリターン実施は2025年5月を予定しています。

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お礼のメッセージ May, 2025
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Featured : 研究報告レポートにお名前掲載

academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。
このリターン実施は2025年12月を予定しています。

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お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載

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研究報告レポートにお名前掲載 December, 2025
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Featured : オンラインサイエンスカフェ

本プロジェクトに関するオンラインサイエンスカフェにご招待します。また、共同チャレンジャーである藤田知道(北海道大学 大学院理学研究院 生物科学部門 形態機能学分野 教授)のオンラインセミナーも開催する予定です。
このリターン実施は2025年11~12月を予定しています。

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お礼のメッセージ / 研究報告レポートにお名前掲載 / オンラインサイエンスカフェ

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研究報告レポートにお名前掲載 December, 2025
オンラインサイエンスカフェ December, 2025
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33,000 JPY tax included
Featured : 新会社HPにお名前掲載&過重力下で栽培したコケのキーホルダー

設立準備中の北海道大学発ベンチャーHP内に、ご支援者様のお名前を掲載します。さらに、過重力環境(10G)で栽培したコケのアクリルキーホルダーもお届けします。10Gコケは通常(1G)のコケより太く短く、濃い緑色を示す点が特徴です。1Gコケとの比較ができるよう、並べたデザインで作成します。
リターンの実施は2025年12月を予定しております。

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お礼のメッセージ May, 2025
研究報告レポートにお名前掲載 December, 2025
オンラインサイエンスカフェ December, 2025
新会社HPにお名前掲載&過重力下で栽培したコケのキーホルダー December, 2025
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55,000 JPY tax included
Featured : 論文謝辞にお名前掲載

今回の研究が論文化した際に、謝辞にお名前を掲載いたします。
このリターン実施は2027年3月以降を予定しています。

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研究報告レポートにお名前掲載 December, 2025
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論文謝辞にお名前掲載 March, 2027
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77,000 JPY tax included
Featured : 研究室見学ツアー

北海道大学にある藤田研究室(札幌駅から徒歩約20分)を実際にご覧いただける、見学プログラムです。顕微鏡観察や過重力遠心機をはじめとする実験機材・設備をご紹介し、普段はなかなか目にすることのない最先端研究の舞台裏を体感していただけます。
このリターン実施は2025年10月頃を予定しています。
※ 現地までの交通費等は各自ご負担ください。

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研究報告レポートにお名前掲載 December, 2025
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論文謝辞にお名前掲載 March, 2027
研究室見学ツアー October, 2025
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Featured : 個別ディスカッション

本研究について、畑中または藤田教授(ご指名可)との個別ディスカッションの機会を設けます。内容や日程はご希望に応じて個別にご相談いたします。

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Featured : 出張講義

本研究に関して、畑中(対面参加)と藤田教授(時期によってはオンライン参加)の両名が講義を行います。畑中は事業内容を、藤田教授は研究内容を中心とした講演を想定しておりますが、具体的な内容や日程は、個別にご相談いたします。
※宿泊費・交通費は別途いただきます。

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Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 1,200,000) before 17:00 on March 27, 2025 (JST: GMT+9).
Payment options
Credit cards, bank transfer, convenience store payment, Pay-easy and PayPal are available
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Securities

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