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KOBAYASHI Riki
琉球大学、Senior Lecturer
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Profile

KOBAYASHI Riki

皆さん、はじめまして。小林理気と申します。現在、琉球大学理学部で多重自由度相関研究室というやや長い名前の研究室を主幹しています。突然ですが、皆さん、今日突然現生人類が滅亡して石器時代から再出発になった場合、次の人類にどのような情報を残してあげたいと思いますか? 現生人類が代々受け継ぎ発展させてきた科学技術でしょうか? それとも、同様に受け継ぎ発展させてきた文化芸術でしょうか? 科学技術も文化芸術も、人類が長く受け継ぎ、豊かさを育んできた重要な「知」です。私は、この知の継承を正しく行うためのありとあらゆる技術を研究開発することこそが、自身の使命だと考えています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

私の研究者としての究極的な目標は、完全なデジタルアーカイブデータ構築手法を開発することです。この思いに至った私の二つの忘れられない経験について紹介させてください。

ひとつ目は、「ON THE ELECTRODYNAMICS OF MOVING BODIES」というかの有名なEinsteinの特殊相対的理論の論文を学生時代に読んだ時のことです。正直に言うとその時の私はこの論文の内容を完全に理解することができませんでしたが、生まれて初めて心が震えるという感覚を覚えました。それは、そこに確かにIsaac Newtonから始まりJames Clerk Maxwell、そしてAlbert Einsteinのへの「知の継承」を垣間見ることができたからです。また研究を行うことで、私自身もまたその知の継承の一部となれることに、なんともいえない深い喜びを感じました。

2つ目は、2019年に発生した首里城火災による文化財焼失事故です。ここで驚いたのは、説明することができない深い深い喪失感を私が感じたことでした。その理由について何度も考えた結果、それは文化財焼失によりある種の「知の継承」が途絶えてしまったことに対する喪失感であると私は気づきました。

この瞬間に私の残りの人生をかけた研究テーマが「知の継承を守り支えていく研究」に決まりました。これが理系の研究テーマなのか文系の研究テーマなのかよくわかりませんが、そんなものは関係ありません。科学・技術・文化・芸術全ての知の継承に必要な技術、特に知の継承が難しい文化・芸術関連で求められているデジタルアーカイブ技術の研究開発を進め、あらゆる知の継承が正しく行われていく社会の実現を目指すことが、私が成し遂げたいことです。

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

デジタルアーカイブとは、我々人類が後世に残したいと願うあらゆるものをデジタル化して保管・管理・利用するための仕組みのことです。それでは完全なデジタルアーカイブデータとはどのようなものでしょうか。私はそれは対象物を構成する全元素のXYZ座標であると考えます。

私の究極的な目標はこの情報を非破壊で取得する技術を開発することです。しかしながら、この技術の開発には乗り越えるべき問題が山のようにあり、すぐに達成できそうにありません。

そこで私はこの技術開発と平行して、対象物の本質的情報だけを抽出して保存する技術の研究開発も進めています。この手法では人文社会学的アプローチから対象物の本質的情報について絞り込み、自然科学的アプローチによりそれらのデータの抽出を行うといった文理融合型戦略を取ります。

これらの2つの研究開発を同時並行で進めていくことで、現時点で可能なベストのデジタルアーカイブ技術と、将来的に達成を目指すデジタルアーカイブ技術の両方を相互作用させながら研究開発を進めていきます。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

本プロジェクトでは、日本が世界に誇る文化財である「日本刀」を対象に、日本刀デジタルアーカイブに必要とされる本質的データの選定および分析手法の開発に向けた基礎データを取得することを計画しています。

日本刀は、拵(こしらえ)などの装飾だけでなく、刃文や地金といった刃そのものに美術的価値が見いだされる、世界的にも珍しい美術工芸品です。

これまでの研究により、刃文や地金に現れる複雑な模様は刀身内部における炭素元素の特徴的な3次元分布に由来することが明らかになっており、近年の研究からは中性子イメージングを用いることで、それらの3次元分布を非破壊的に取得できる可能性が示唆されています。

私たちは次のステップとして、日本刀表面の刃文や地金の情報を、共焦点レーザー顕微鏡や白色干渉計を使って非破壊・非接触で数値化することを目指しています。

本プロジェクトでは、日本刀全体のデータを取得する際にどの程度のXY分解能が現実的か、そして得られた測定データをどのように結合するのが最適かを検討し、その条件を明らかにしたいと考えています。

Why we need your support

私の研究プロジェクトは完遂までに長い道のりがあり、私が存命中に完成しない可能性も十分にあります。こうした大規模なプロジェクトを成し遂げるためには、私の死後も研究が継続される仕組みが必要です。

そこで私は、本プロジェクトに共感してくださるすべての方々が、研究者・非研究者を問わず何らかの形で参加できるような、従来のアカデミアの枠組みを超えた新たな研究組織や研究資金調達の仕組みを作りたいと考えており、本プロジェクトがその第一歩となることを願っています。

今回いただいた研究費は、上記の実験に使用する日本刀の購入費に充てる予定です。これまでの研究経験から、新しい測定手法をいきなり重要性の高い文化財に適用するのはリスクが高いと判断しています。そこで、まず購入した日本刀を使って絶対に安全な測定方法を確立し、将来的にはこの手法を重要性の高い文化財へと応用していきたいと考えています。

さらにプロジェクト期間中はもちろん、終了後も継続的にオンラインで研究の進捗を報告し、本プロジェクトに興味を持ってくださった皆様とチームを組むことで長期的に成果や発見の喜びを共有していきたいと思っています。

チーム加入待ってます!

Recommender's comment

藤田 全基
東北大学金属材料研究所(教授)

「知の継承」とは、人の営みを未来に紡ぐための灯火です。小林先生の取り組みは、文化と科学の垣根を越え、次世代へ知と心の豊かさを引き継ぐもので、失われてはならない文化財の価値や科学技術の粋を守り、後世に届ける使命感に敬意を表します。この挑戦は、私たちが共有して拡大することで、未来を形作る礎にも資するものになるでしょう。小林先生の情熱が、多くの共感を呼び、実りある成果をもたらしますよう応援しています!

麻生 要一
琉球アルファドライブ 代表 起業家・投資家・経営者 沖縄ITイノベーション戦略センター アドバイザリー・フェロー 琉球大学 客員教授

小林先生が目指す「完全なデジタルアーカイブデータ構築技術」は、今日現在耳にする突飛なテーマに聞こえるかもしれません。しかし時代は2025年。VR・5G・空間コンピューティングの時代が幕を開けた時代です。少し先の未来の人類は、必ずデジタル空間上に「もうひとつの世界」を生み出し、そこで暮らすことになる。そんな世界から逆算すれば、本研究は必要不可欠となるクリティカルな技術であり、世界を変える革新的なテクノロジーになりうるはず。また、創業の原体験を「首里城の消失」に持ち、この研究テーマを起点としてこれから大学発スタートアップを創業することにもなる小林先生の未来にも、大きな可能性を感じています。ぜひ小林先生とこのテーマを一緒に応援しましょう!

福本 晃造
琉球大学 教育学部/地域連携推進機構 准教授

文化財に一切の傷をつけずに内部の詳細な解析を行うことは、過去の知を現代に引き出し、現代の知との融合によってイノベーションが期待できます。また、作成されるデジタルアーカイブは、研究や教育、地域活性化にも使うことができます。小林先生は柔軟な発想を持つ新進気鋭の物理学者ですが、ライフワークとして子どもたちへの教育活動にも取り組まれ、ご自身の研究解説も行っています。今回の取り組みで得られる成果も、子どもたちがワクワクするようにお話しされ、小林先生を取り囲む仲間たちと共にイノベーションを引き起こしてくれると信じています。熱い思いが込められたデジタルアーカイブ化に、私は共感し、応援します!

天久 忍
株式会社 文化財サービス

文化財を「保存する」。これまでは「モノ」そのものを保存、または図や写真などの記録で残すなど様々な手法がとられてきました。しかし、モノや記録そのものが何らかの理由で消失してしまったら、この世から永遠に「情報」が消えてしまいます。
小林先生の研究は、モノが持つ全ての情報を非破壊でデータ化するという文化財にとっては理想的な技術であり、これまで以上に多角的な視点・手法から総合的に「モノ」を捉える新たなアプローチになります。人類が長い歳月の中で培ってきた技術や思い、進化がモノには詰まっています。それらを視覚化しデジタルアーカイブ化することで多くの人が過去を共有し、新たな発展を生み出すことは社会にとって大きな財産となることでしょう。これまで受け継がれてきた「知」のバトンを、次の世代へと繋いでいけるよう共に応援しましょう!

Project timeline

Date Plans
2025年04月 購入する日本刀の選定
2025年05月 日本刀の購入
2025年06月 共焦点レーザー顕微鏡による分析
2025年09月 予備日
2025年12月 論文執筆
2026年03月 研究報告書執筆

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Featured : お礼のメッセージ

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academist Journalに寄稿する研究報告レポートにお名前を掲載します。

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Featured : Discordグループメンバーと定期研究報告ラジオにご招待

本プロジェクトに関するDiscord研究グループメンバーにご招待します。
ここでは質問や意見交換に加えて、二週間に一度の定期研究報告ラジオを聞くことができます。
このリターン実施はクラウドファンディング成功から多重自由度相関研究室が存在する限り続く予定です。

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Discordグループメンバーと定期研究報告ラジオにご招待 April, 2025
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Featured : ミニ玉鋼プレゼント

日本刀の原料である玉鋼の小さい物をプレゼントします。

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研究報告レポートにお名前掲載 April, 2026
Discordグループメンバーと定期研究報告ラジオにご招待 April, 2025
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Featured : 論文謝辞にお名前掲載

今回の研究が論文化した際に、謝辞を掲載いたします。
このリターン実施は2026年8月を予定しています。

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論文謝辞にお名前掲載 August, 2026
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Featured : 研究室一緒に進める

このような高額寄付をして頂いたにも関わらず、さらに研究も手伝ってもらうという小林にしか得がないリターンになります。研究は琉球大学に来てもらうか、遠隔で実施することを考えています。研究に必要な知識やスキルは私が教えるので心配ありません。一緒に研究のワクワクを体験しましょう!
※宿泊費・交通費は自己負担になります。

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Discordグループメンバーと定期研究報告ラジオにご招待 April, 2025
ミニ玉鋼プレゼント August, 2025
論文謝辞にお名前掲載 August, 2026
研究を一緒に進める December, 2025
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Featured : 研究報告に小林が直接会いに行きます

このような高額サポートを万が一して頂けた場合は、プロジェクトの研究報告に小林が泡盛を持って直接会いに行きます。一緒にプロジェクトについて熱く語り合いましょう!具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。
※宿泊費・交通費は別途いただきます。

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Discordグループメンバーと定期研究報告ラジオにご招待 April, 2025
ミニ玉鋼プレゼント August, 2025
論文謝辞にお名前掲載 August, 2026
研究を一緒に進める December, 2025
研究報告に小林が直接会いに行きます May, 2026
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