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Manabu Kitukawa
静岡県、畜産技術研究所 主任研究員
Pledged: 967,000 JPY
Target Amount: 800,000 JPY
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Profile

Manabu Kitukawa

神奈川県にある私の実家では、酪農業を営んでいます。幼い頃から牛と触れ合い、酪農家の支えになる獣医師を目指しました。2018年(平成30年)に静岡県に入庁し、現在は静岡県畜産技術研究所の酪農科員として本研究に携わる他、牛の乳房炎に関する研究を担当しています。
静岡県畜産技術研究所では、牛の病気を予防することを目的として、牛の行動量センサーの開発、牛の分娩を検知するシステムの開発、牛の体温を自動検知するシステムの開発に取り組んでいます。牛は、体調が悪い時でも飼い主に訴えることができないので、本研究で開発する体重推定アプリを使って牛の健康状態を把握し、健康な牛からおいしい牛乳を作りたいと考えています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

私たちが研究を通じて成し遂げたいことは、乳牛を健康に飼育することで、牛乳の生産性を向上させることです。

乳牛は1日に約30Lの生乳を生産しており、その過程で多くのエネルギーを消費します。また、妊娠期間は胎児を育てるためにも多くのエネルギーを消費しますが、分娩前に体重が減少しすぎると疾病の発症率が高くなるといわれています。このため、乳牛の健康管理には定期的な体重測定が有効です。

牛の体重測定には体重計や推定尺(胸囲から体重を推定)を利用しますが、測定作業は危険を伴う重労働であるばかりか、牛に大きなストレスを与えます。

また、牛に直接触れることなく体重の増減を推定する方法としては、Body Condition Scoreが活用されています。これは牛の骨盤付近の肉付き等を評価するもので、簡便さが最大の利点ですが、判定者により評価に差が生じる場合があります。

そこで私たちは、誰もが安全・簡易に牛の体重を推定することができる安価な装置を開発することで、牛の健康管理を充実させ、健康な乳牛から安全な生乳を効率よく生産する仕組みづくりを目指しています。


どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

近年、国内産業動物分野においても、アニマルウエルフェア(AW:動物が生活する環境と関連する動物の身体的・心理的状態)に配慮した飼育管理が推奨されています。この考え方は、適正な飼育管理(「日々の家畜の観察や記録」等)を行うことで家畜の健康を維持し家畜の本来持つ能力を発揮させることで、安全な畜産物の生産と生産性の向上を図るものです。

最近では、センシング技術を用いて牛の行動量や反芻(食事)状況、膣内温度等をモニターし、牛の疾病や分娩等を予測するシステムが市販されています。一方、牛の体重測定は危険を伴う重労働であるため、一般の農場ではあまり行われていません。しかし、年間を通じて体重の変動が大きい乳牛の健康管理では、定期的に体重を測定し、記録することが必要です。

そこで私たちは、擬似3D画像から牛の表面積や堆積を割り出し体重を推定するスマートフォンアプリを開発しています。

飼育者はこのアプリケーションを利用することで、安全に、正確な体重を知ることができるようになり、牛の体調が悪化する前に飼料の調整や治療などを行うことで、牛を健康に飼育することが可能となります。

アプリケーション完成後の展開としては、学会等を通じて本アプリケーションを利用した牛群管理方法等を発表し、酪農場への普及を図ります。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

まず、当研究所および近隣の農家で飼育するホルスタイン種搾乳牛1,000頭の体重を測定します。その後、3D画像を撮影できるカメラで搾乳牛の撮影を行い、取得した3D画像と体重データを用いて深層学習(大量のデータから規則性や関連性を見つけ出し、結果を推定する方法)を行い、画像から乳牛の体重を推定するAIを作成します。

ここで3D画像と呼んでいるものは、正式には疑似3D画像と呼ばれるものであり、2D画像にカメラと対象との距離情報を追加し、白黒の濃淡で表示させたものです。この情報から牛の表面積や体積を割り出し、体重の推定に活用します。

疑似3D画像は本来の3次元グラフィックス画像よりもデータ容量が小さいため、処理が容易であり、解析用パソコンを必要としません。近年では疑似3D画像を撮影できる媒体(3Dカメラ)が安価となり、多くのスマートフォンに搭載されています。このような背景から、本研究では3Dカメラを搭載したスマートフォンを撮影媒体として採用しました。

スマートフォンを利用することで、飼育者は重労働で危険が伴う牛の移動を行うことなく、簡単に体重を推定することが可能となります。
 

Why we need your support

先述したとおり、乳牛は1日に約30Lの生乳を生産します。通常、牛は1回のお産で1頭の子牛を分娩し、生まれた子牛は1日に4L程度の乳を飲みます。つまり、乳牛は子牛を育てるのに必要な生乳の8倍もの量を、体を削って絞り出しているのです。

牛は言葉を話せないので、辛いとか、おなかが減ったといった感情を飼育者が理解してあげなければなりません。私たちは、その一助となるよう本アプリの開発を行っています。

AIの開発や検証作業は私たち研究スタッフが行いますが、スマートフォン用アプリケーションの開発には専門技術が必要ですので、サポートいただいた資金を活用して、分析用機材の購入とアプリケーションの開発を行います。

また、本アプリケーションは、マーケットの需要に応じて、ペットや動物園で飼育されている動物などさまざまな種類の動物への応用も期待できます。

皆さま、応援よろしくお願いいたします。

Recommender's comment

石本 史子
静岡県畜産技術研究所中小家畜研究センター(博士:工学)

豚や鶏など中小家畜では、固定カメラ等を利用した自動体重計測技術の開発が進んでいますが、大動物分野においては商品化されていません。体の大きな牛を所定の位置に移動させ、体重計に乗せる作業には危険が伴なうばかりでなく、家畜、飼育者ともに大きなストレスが生じることから、持ち運び可能な装置を用いて、牛に触れることなく体重を推定するという発想は良いと思います。本研究を行うことで、農場での事故などのリスクが下がるとともに、生乳の生産性が向上することが期待されますので、皆様の温かいご支援をお願いいたします。

瀬戸 隆弘
農林環境専門職大学 講師(博士:獣医学)

一般的なカメラで撮影した画像から牛の体高を推定する方法は既に開発されていますが、撮影にあたって牛の位置やカメラとの距離が厳密に定められているため、実際の農場での実用化は難しいと考えています。本研究では、パソコンを用いず、持ち運びが容易なスマートフォンで稼働する人工知能を開発する点で新規性があり、開発された製品を使うことで飼育者の労働負担と動物のストレスを軽減することが可能となります。担当者の橘川さんは堅実な作業ができる研究者ですので、必ず製品化されると信じています。ぜひ、皆様方のご支援をお願いします。 

Project timeline

Date Plans
2023年8月 深層学習によるAI構築
2023年9月 スマートフォン用アプリ制作開始
2023年12月 アプリケーションの検証試験開始

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