サポーターの皆さま
おかげさまで本日100%達成と相成りました。
たくさんのご支援と温かいお言葉をいただき誠にありがとうございました。
分野の発展に少しでも貢献できるよう、微力ながら尽力いたします。重ねて御礼申し上げます。
研究成果や各種リターンの情報につきましては、今後も進捗報告の欄でお知らせいたします(サイエンスカフェの場所についてはお待たせしてしまい申し訳ありません。本年度キャンパス内で引っ越しがある影響で調整に時間がかかっております。もう少々お時間をいただけますと幸いに存じます)。
また、終了まで22日を残しての達成となりましたのでセカンドゴールを50万円に設定させていただき、引き続きプロジェクトを公開しております。
ご支援いただいた資金は論文投稿費や学会参加費、各種実験費に加えて、現在持ち出しとなっている調査地への交通費や人件費などに充てさせていただく予定です。
引き続き応援のほどよろしくお願い申し上げます。
みなさまは普段“きのこ”が何をしているか考えたことはあるでしょうか。マツタケをはじめとする多くのきのこは「外生菌根菌」という分類に属します。これらの菌はマツ科やブナ科などの樹木の根と地下で結びつき、外生菌根と呼ばれる共生体を形成します。1本の成木に共生する菌根菌は10~100種類を超えるという先行研究もあり、森林の地下にはさまざまな外生菌根菌による群集が広がっています。
菌根の形成により、宿主樹木は光合成産物を菌根菌に供給し、菌根菌は宿主の無機養分(窒素やリン)吸収を促すなどの利益をもたらす相利共生の関係が成立します。特に発芽したばかりの実生の生存には菌根菌の存在が大きく影響することが報告されています。このように、外生菌根菌は地下で樹木と共生するという一見地味ながら森林の生育にとって極めて重要な役割を担っています。そして、普段地下にいる菌根菌が胞子の生産・分散のために形成するのがきのこ(子実体)※なのです。
※食卓に上がることも多いシイタケやエノキタケといった種は倒木などに着く腐朽菌(腐生菌)に分類され、外生菌根菌(共生菌)とは異なる生態を持っています。これらの菌も特に分解という点で森林生態系において大きな役割を果たします。
外生菌根菌は、傘と柄を持ついわゆるきのこ型から球状まで多様な形状の子実体を形成し、その色も白から赤、茶、黄色とさまざまです。地下に子実体を作る種(代表的なものにトリュフがあります)やそもそも子実体を作らない種など生態もバラエティに富んでおり、未発見種や学名の付いていない種が数多く存在します。近年の分子生物学的手法の発展により、形態での判別が難しいもののDNAを調べたところまったく異なる種であった、というケースも多々あります。
また、菌根菌を個々の種ではなく地下に形成される群集として見た場合の、群集の成立や遷移過程、環境や宿主樹木の相違による種構成の変化、宿主や地上部に及ぼす影響などについては未だ十分に明らかになっていません。
このように非常に奥が深い外生菌根菌ですが、日本における先行研究の多くは天然林を対象としており、都市近郊二次林(いわゆる里山林)での研究はほとんど行われてきませんでした。これは林内整備や薪炭材の利用といった人為的攪乱が定期的に入ることが理由のひとつとして考えられます。しかし、里山林は外生菌根菌の宿主となるマツ科やブナ科を主として構成されていることから、林内には極めて多様な菌根菌のリソースが担保されている可能性が考えられます。加えて、菌根菌のなかには攪乱を好む種が存在することなどから、天然林とは異なる菌類相が見られることも予想されます。
実際に、2016年に東京都青梅市の二次林で行った予備調査では白トリュフとして知られるTuber属や、図鑑やDNAデータベースに記載のない種が数多く生息することが明らかになりました。林内から民家が見えるほど身近な二次林は、天然林とは一味違った極めて興味深い調査地といえます。
前述したように、外生菌根菌の研究は菌根や子実体、群集と、見方によって多岐にわたることから、その生態の解明にはさまざまな角度からのアプローチが必要です。そこで私たちの研究グループは、
1. 都市近郊林を調査地とする
2. 森林微生物、特に外生菌根菌を研究対象とする
3. 研究で得られたデータ、特に微生物のDNA情報をオープンデータとしてデータベース(国立遺伝学研究所が運営する「DDBJ」など)に寄託する
という3つの共通条件を掲げ、各々の研究テーマを合わせてひとつのプロジェクト「URBAN KINOKO RESEARCH」として立ち上げることにしました。
今回は主に、「形態分類と分子生物学的手法(DNA解析)を用いて二次林内に生息する外生菌根菌のインベントリー(生物種目録)を作成する」「未記載種の可能性が高い、とある地下生菌について分子系統学的解析を用いて新種記載を目指す」「宿主樹種や成長段階(成木と実生)の相違による菌根菌群集の比較を群集生態学的解析を用いて行う」という東京都青梅市の二次林で行った3つの研究テーマを対象としました。
今後はこの条件のもと都市近郊林における微生物の研究データを蓄積し、地域間のデータを比較する研究などに発展させていければと考えています。また、外生菌根菌についてより多くの方に知ってもらい、「食べられるか否か」以外のきのこの世界を楽しんでもらうこともこのプロジェクトの大きな目的のひとつです。
東京都青梅市での調査は2016年から行っており、今回のチャレンジに先んじて、成果の一部を第32回日本微生物生態学会大会(2018年)、第130回日本森林学会大会(2019年)で発表することができました。学術論文としての投稿や残りのデータの発表準備も少しずつ進んでおり、今年度からは新たなサイトとして東京都調布市での調査や、きのこの3D標本制作といった新たな試みも始まっています。
しかし、残念ながら論文の投稿費や英文校閲代、学会の参加費、DNA実験関連の試薬や一部工程の外注費用などが不足している状況です。また、見た目が派手なきのこだけが注目されがちな外生菌根菌についてもっと多くの方々に知ってもらいたい、研究を役に立つか否かという観点ではなく、映画や小説のような身近な娯楽のひとつとして楽しんでもらいたいという思いから、研究費の獲得とアウトリーチを兼ね備えた今回のチャレンジを決めた次第です。
サポーターのみなさまには研究費のご支援をお願いするとともに、外生菌根菌の研究という世界を楽しんでいただきたいと考えています。応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
Date | Plans |
---|---|
2019年9月 | クラウドファンディング挑戦 |
2019年9月〜 | 各論文執筆、新調査地での調査 |
2019年11月 | クラウドファンディング終了、1本を投稿 |
2019年12月 | 各論文執筆および学会準備 |
2020年3月 | 学会発表: 第131回日本森林学会大会 |
2020年4月~ | 各論文執筆、追加調査など |
外生菌根菌をテーマにした3枚のポストカードをお送りします。1. タマゴタケ、2. 外生菌根8種詰め合わせ、3. 届いてからのお楽しみの3種類となっております。本プロジェクト名のロゴが入った限定版となっておりますので、この機会にぜひご購入ください。
外生菌根菌のポストカード(3枚)
4 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
本プロジェクトで行われた主な研究をレポートにまとめてお送りします。貴重なきのこや普段なかなか目にすることのない外生菌根の写真など盛りだくさんの内容です。
研究報告レポート(PDF版) / 外生菌根菌のポストカード(3枚)
4 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
今回の研究テーマをモチーフにしたオリジナルデザインのトートバッグです。A4ファイルがらくらく入る大きさです。本体サイズ:約W360xH370xD110mm(船底)、持ち手サイズ:約W25xL470mm、色: ナチュラル
キャンバストートバッグ / 研究報告レポート(PDF版) / 外生菌根菌のポストカード(3枚)
14 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
2020年3月27~30日に行われる第131回日本森林学会大会にて本研究に関する発表をする際、謝辞にお名前を掲載させていただきます。また、発表資料(A4 PDF)を送付いたします。応援よろしくお願いいたします! ※第131回大会での発表が叶わなかった場合、その後の学会発表資料の謝辞にお名前を掲載いたします。
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / キャンバストートバッグ / 研究報告レポート(PDF版) / 外生菌根菌のポストカード(3枚)
12 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
サポーターの皆様をサイエンスカフェにご招待いたします。きのこからバクテリアまで、外生菌根菌に関する研究についてメンバーがご紹介します。ご欠席の場合は当日の資料を送付させていただきます。※会場は東京農業大学世田谷キャンパス、またはその周辺施設を予定しています。 ※開催時期は2019年12月の日曜日を予定しています。
サイエンスカフェにご招待 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / キャンバストートバッグ / 研究報告レポート(PDF版) / 外生菌根菌のポストカード(3枚)
9 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
現在、本プロジェクトから3本の学術論文投稿を予定しています(英文2本、和文1本)。論文がアクセプトされた暁にはサポーターのみなさまのお名前を謝辞欄に掲載させていただきます。現在もりもり執筆中です。 ※掲載までにお時間をいただくかと存じますが、長期的に応援をいただけると幸いです。 ※査読の結果、論文の掲載に至らない可能性もございます。大変恐縮ですが、予めご了承の程よろしくお願いいたします。
論文謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェにご招待 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / キャンバストートバッグ / 研究報告レポート(PDF版) / 外生菌根菌のポストカード(3枚)
6 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
採取したきのこのDNAを調べてみませんか? 送付いただいたサンプルのDNAシークエンスを代行し、解析結果をお送りいたします。※おひとり様3サンプルまでとさせていただきます。 ※対象増幅領域はITS領域、使用プライマーはITS1f/ITS4です。 ※地域の条例、法律で禁止されている場所で採取されたサンプルは取り扱うことができません。また、食用および販売用途でのご利用はお控えくださいますようお願い申し上げます。 ※組織片からDNAを抽出するため、作業工程にサンプルの破壊的操作が含まれます。ご注意ください。 ※サンプルの状態によっては上手くDNAが抽出できないことがございます(なるべく採取してから日が浅く、土などの汚れを落とした後、しっかりと乾燥処理を施したものをお勧めいたします)。また、データベースに登録がない場合、科レベル以上でのご報告となる可能性がございます。恐れ入りますが、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
きのこのDNAシークエンス代行 / 論文謝辞にお名前掲載 / サイエンスカフェにご招待 / 学会発表資料の謝辞にお名前掲載 / キャンバストートバッグ / 研究報告レポート(PDF版) / 外生菌根菌のポストカード(3枚)
1 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)
SSL encryption communication is used in this Web site, and the informations filled out are safely transmitted.
外生菌根菌のポストカード(3枚)
4
supporters
back
(No quantity limit)
研究報告レポート(PDF版) and others
4
supporters
back
(No quantity limit)
キャンバストートバッグ and others
14
supporters
back
(No quantity limit)
学会発表資料の謝辞にお名前掲載 and others
12
supporters
back
(No quantity limit)
サイエンスカフェにご招待 and others
9
supporters
back
(No quantity limit)
論文謝辞にお名前掲載 and others
6
supporters
back
(No quantity limit)
きのこのDNAシークエンス代行 and others
1
supporters
back
(No quantity limit)