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材料科学における簡易的な自律的実験遂行システムの確立

Monthly academist Prize 3rd adopted

Kazuki Ishizaki

早稲田大学、一貫制博士課程4年(博士2年)

Challenge period

2023-09-05 - 2024-08-30

Final progress report

Sat, 13 Apr 2024 15:45:15 +0900

Progresses

11 times

Supporters

10 people

Elapsed time

Tue, 05 Sep 2023 10:00:00 +0900

Profile

Kazuki Ishizaki

早稲田大学 先進理工学研究科 先進理工学専攻 一貫制博士課程4年(博士後期課程2年相当)。専門は、結晶化学、材料化学、マテリアルズインフォマティクス。東京都出身。
2016年3月 巣鴨高等学校 卒業
2016年4月 早稲田大学先進理工学部生命医科学科 入学
2020年3月 早稲田大学先進理工学部生命医科学科 卒業
2020年4月 早稲田大学先進理工学研究科先進理工学専攻 入学

学部3年時までは、主に生命科学の勉強をしていました。一方で、マテリアルズインフォマティクスに非常に興味があったため、研究室配属された学部4年から専門を変更しました。

What do you want to achieve through your research?

AIとロボットを組み合わせた自律的に実験を遂行するシステムを浸透させ、実験の自動化を一般化したいです。特に、材料科学の分野で浸透させたいです。自律的な実験遂行システムとは、以下の2ステップを繰り返すシステムのことを指します。(1) AIが既に得られているデータから定量的に評価し、次に実験すべき実験条件を決定します。(2) AIによって提示された実験条件で、人間の介入なしにロボットが全ての実験工程を実施します。

材料科学の分野では、全ての作製可能な材料は少なくとも10の60乗種類あると推定されており、材料の探索空間が非常に広大であることがわかります。よって、広大な探索空間から所望の材料を見出すのは、人間の力だけでは限界があります。そこで、自律的な実験遂行システムを取り入れることで、効率的に所望の材料を探索します。従来の材料探索よりも10倍以上、探索の高速化が実現できると予想されています。また、自律的な実験遂行システムが稼働中に、研究者は、論文執筆やデータの議論、共同研究の交渉といった重要なタスクに時間を費やすことができます。結果として、研究の質の大幅な向上にも貢献できます。

What kind of process are you trying to achieve?

自律的な実験遂行システムを一般化するには、実装のハードルを下げるために、比較的入手しやすい機器を組み合わせて、実験の自動化を実現した例を増やす必要があります。

現在、自律的な実験遂行システムの実装には、コスト面で大きな課題があります。実装するための実験設備を整えるためのコストが非常に高く、それが実装例の増えにくさと、実装するノウハウの蓄積のしにくさにつながっています。

そこで、比較的入手しやすい機器を組み合わせることで、実装例を増やします。ロボットアームは低価格化が進み、応用範囲が広がっています。比較的性能の高いPCもお手頃な価格で購入できるようになっています。そのようなロボットアームやPC等を組み合わせて、小規模な自律的実験遂行システムを実装します。結果、少しずつ実装のハードルが下がり、実装例も増加し、自律的な実験遂行システムの一般化に繋がると考えています。

What research topics are you currently working on?

現在は、フォトメカニカル結晶の高出力化に向けて、簡易的な自律的実験遂行システムの実装に取り組んでいます。フォトメカニカル結晶とは、紫外光を照射すると屈曲やねじれといった巨視的な動きを示す結晶を指します。今回は、フォトメカニカル結晶が動いた際に生じる力(発生力)をより高出力する条件を検討しています。

はじめに、探索する範囲を拡大するために機械学習を活用します。探索範囲を拡大することで、多くの条件を検討し、より高出力する条件を探索できます。そもそも発生力とは、変位を完全になくすために必要な力を指し、ヤング率、結晶サイズ、照射強度に依存します。今回は、発生力に依存する3つの要素のうち、探索範囲が拡大しにくいヤング率に注目します。

探索範囲を拡大したのちに、自律的実験遂行システムにより高出力する条件を効率的に探索します。無作為に実験しても実験数が膨大になってしまうため、定量的な指針を用いて、検討する実験条件を決める必要があります。そこで、比較的入手しやすいロボットアームやPC等の機器を組み合わせた小規模な自律的実験遂行システムを用いて探索を行います。

Why are you challenging Academist?

理由は2点あります。1点目が、研究を達成するための研究設備を整える資金を得たいからです。2点目が効果的な広報力を養いたいからです。

現在取り組んでいる研究を達成するために、ロボットアームやPC、実験装置等を導入し、自律的な実験遂行システムを実装する必要があります。既に研究費を獲得しているものの、購入予定の機器のすべて購入できません。そこで、academist Prizeの活動を通じて、研究費用を集め、研究を達成する研究設備を整えたいです。

academist Prizeの活動報告を通じて、広報力も養いたいです。近年、SNSの普及に伴って、研究者によるSNSを活用した情報発信が頻繁に行われています。そのような情報発信から共同研究や人的ネットワークの確立に発展する場合もあります。将来、自分は研究者として活動したいです。そのために、効果的な情報発信能力を博士号取得までに習得したいと考えています。そこで、academist Prizeの活動報告を通じて、情報発信能力を向上させるきっかけを作りたいです。

以上2つの理由から、academist Prizeへ応募しました。

Recommender Comment

朝日透
早稲田大学 理工学術院 教授・ナノライフ創新研究機構 副機構長

石崎君は、研究遂行に必要な学識や技量を積極的に学ぶ姿勢で楽しく研究に取組んでいます。有機合成、材料特性評価、回帰分析などの技量と、材料科学と情報科学の融合領域の知識を活用して、マテリアルズインフォマティクスの分野に新風を吹き込んでくれると期待しています。Academist Prizeの活動を通じて、持ち前の高いコミュニケーション能力も活かして、国際舞台で活躍する若手研究者として羽ばたいて下さい!

谷口卓也
早稲田大学データ科学センター 准教授

石崎くんは材料科学にデータ科学を活用することに熱心に取り組んでおり、機械学習やベイズ最適化を使い材料機能を向上させることを目指しています。マテリアルズインフォマティクス(MI)と呼ばれるこの分野はアカデミアのみならず産業界でも注目されており進歩が速いですが、石崎くんは日々努力し情報をキャッチアップしています。光応答材料にこのMI技術を適用できれば画期的であるため、彼の研究を応援しています。

Project timeline

Date Plans
2023年10月末 実験を進めてデータを取得
2023年11月 第31回有機結晶シンポジウムで発表予定(ポスター発表)
2023年12月 MRM2023/IUMRS-ICA2023で発表予定(ポスター発表)
2023年1月 論文執筆開始

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