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Machii Nagatoshi

東京工業大学、博士後期課程一年

Challenge period

2023-09-05 - 2025-03-31

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「専門分野の越え方」第2回読書会 (石坂)

こんにちは。石坂です。
先月から始まった「専門分野の越え方」の読書会の第2回を行いました。

3人で議論したことを活動報告としてまとめると、思考を整理してこれまでの活動を意味づける機会になるのでとてもよいです!

今回は第8章「学際性とは何か?」を読んで議論したことをご報告します。

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学際性と多専門性の違い
(P.129~ 2節「学際性への統合主義的アプローチ」より)
多専門性とは、専門分野が併存しているだけで統合していない、加算的であると述べられています。

多専門性にとどまらず学際性に至るためには、単に専門分野の異なる人を集めたり、講義形式で一方的に知識を伝えたりするのではなく、統合をもたらす何かが必要だということです。
私たちが設計しているインタラクションのある交流は、この統合を目指しているのかもしれません。

3種の統合
(P.131~ 3節「統合とは何の謂か」より)
オルークらの学際研究の議論から、3種類の分類を提案をしています。
認知的統合:個人の認知の変容
社会的統合:集団の協働体制の確立
認識的統合:概念、知識、理論などの統合

私たちの活動は、個人の中でイノベーションが起きることを目指しているため、認知的統合が最も近いという意見で一致しました。
また、これら知見から実践にいかせるヒントをどのように抽出するかを考え、理論と実践の往還を目指したいと話し合いました。

アナロジーを感じる異分野交流
(P.133~ 4節「認知的学際性」より)
それぞれの分野で同じ概念を異なる意味で用いたり、同じ概念に異なる用語を使っているということに気づくことで、自分とは異なる見方をもっていることを自覚すると記述されています。

私たちはこれまで、交流の促進要因として他分野の研究とのアナロジーを感じることが重要であると考えてきました。
このアナロジーを感じる理由がここで説明されていると解釈し、ワークショップデザインのヒントとして、このような体験ができるようにするとよいのではないかと話し合いました。

また、逆に同じ用語でも異なる概念を指しているということをしばしば経験します。
例えば、看護学と生物学における「適応」や、自然科学と哲学における「還元」などです。
これをきっかけにして、上記と同じような気づきが生まれるのではないでしょうか。

自分の見方の絶対視からの脱却
(P.136~ 6節「単独専門性の克服」より)
学際的コミュニケーションによって認知変容のプロセスが起きると記述されています。
自分の見方を絶対視し、すべてを自分の見方から理解しようとするところから、複数の異なる見方の一つにすぎないと自覚するようになることで、単独専門性が克服されていくとされています。

私たちは、異分野交流の活動を通して対話リテラシーを醸成できることを目指しています。
相手の見方を拒否するのではなく、「あなたはそう考えるのね」と距離を置くのでもなく、一度その見方に入り込んでみる。
相手の見方を借り、自分の見方として組み込むことで、自分の専門分野を新鮮な目で見られます。
このように自分の見方の絶対視から脱し、専門性が拡張・変容する瞬間こそ、異分野交流の醍醐味であると感じます。

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疑問点
8章について議論したところ、次のような疑問が出ました。
・認知的統合と認識的統合の間には何がある?順序性や相関がありそう
・一見すると共通基盤をもたない他分野の研究者と共同性を構築していくには?

この疑問に対して、7, 14章に書かれている「共同」がカギになるのではないかということで、次回は7章を読んでみたいと思います。

ご支援もお待ちしておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

2024.2.14
いしざか

待井 長敏 Wed, 14 Feb 2024 19:54:28 +0900
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