先月は、普段私たちが研究で使用している分析装置についてご紹介しましたが、今月もその続きをお話したいと存じます。エッセンシャルオイルに含まれている香気成分の分析には、GCMS(Gas Chromatography Mass Spectrometry、ガスクロマトグラフィー質量分析)を良く用いていますが、私たちはその分析機器の中でも、TOFMS(Time of Flight MS, 飛行時間型質量分析計)を使用しております。
この装置はとても分析精度が高いのですが、その精度が高すぎるため得られる情報量が多すぎてデータの解析が大変でした。
そのことをたまたま、香りがお好きな学生さんの保護者さんにお話したら、相談にのってくださりデータ量を軽くするプログラムを書いてくださいました。なんと、その保護者の方がシステムエンジニアだったのです。ほかのお仕事と同じで、研究をやっていると多くの壁にぶつかります。そんな時に手を差し伸べてくださる方は、研究者ばかりではなく今回のような普段、研究を生業とされない方であったりもします。改めて、私が行っている研究は多くの方に支えられているんだなあと感じました。これこそが「市民の科学、シビリアンサイエンス」ですね。