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女性がホッとできる場所を増やし、生活しやすい都市を目指す

#日本生活学会50周年
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壽崎 かすみ
龍谷大学、准教授
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壽崎 かすみ

私は子どもの頃から建築や都市計画の仕事にあこがれる女の子でした。「女の仕事じゃない」という両親の反対を押し切って都市計画を勉強し、現在は龍谷大学で都市計画やまちづくりを教えています。私自身、シングルマザーで働きながら子どもを育てた経験から、誰もが生活しやすい都市あるいは生活環境をつくることを目標に研究をしてきました。
子育て中の母親の都市へのニーズについての調査研究、大学生の都市へのニーズについての調査研究、日本では人口の1%のキリスト教徒が地域社会で生活する上での課題についての調査研究などもしました。
現在の日本はペットとして飼育される犬や猫の数が、16歳未満の子どもの数より多い状況にあります。住宅の確保、犬や猫を連れての移動、さらには災害時の避難などで、犬や猫を連れた飼育者と犬や猫が苦手な人との間におきがちな摩擦やトラブルを減らす、あるいは解消していくことをサポートする生活環境や社会システムについても調査・研究をしています。
女性が生活しやすい都市づくりは、子育て中の母親のニーズについての調査研究をしたとき以来取り組みたかったテーマです。ぜひ、ご支援をお願いします。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

私は子どもから高齢者まで、男性も女性も、日本人も外国人も、障がい者も、ライフスタイルやライフステージに関わらず生活しやすい都市をつくることを目標に研究をしています。

生活しやすさをここでは生活の質ととらえます。生活の質については色々な議論がありますが、自宅と職場・学校以外にホッとできる場所がある人は、日々の生活の質が高いことが先行研究で明らかされています。このホッとできる場所は、生活するために最低限必要な住居や職場などの次にくるものです。

国土交通省はコロナ禍を契機として「郊外や地方都市の住宅地においては、居住の場、働く場、憩いの場としてさまざまな機能を備えた居心地の良いウォーカブルな空間形成をすすめることが重要となる」としています。この研究では「憩いの場」を仕事や日常の家事・育児などからはなれてリラックスし、リフレッシュできる場所、親戚の家なども含めた個人の住まい以外の場所の意味で使います。

都市で暮らす人誰もが都市の中に憩いの場を十分にもてるようにして、生活の質の向上につなげることが目的です。

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

憩いの場としては一般に、公園などの屋外スペース、飲食店、趣味などの教室、図書館、ショッピングセンターなど様々な場所が候補になるとされています。

先行研究では、高齢者に限ると女性は男性より「憩いの場がある」人が少なく場所選びにも男女差があること、大学生では男子学生が利用する時間帯は女子学生より遅いことが示されています。また東京圏の既婚あるいは子どもがいる働く女性の場合、「憩いの場がある」と答えた人のうち「実家・親戚宅」を挙げた回答が多く、ほかに利用できる場所が少ない可能性が示唆されています。コロナ禍の前後で変化があることを報告する研究もあります。

男性が外で働き女性が家をまもることが一般的だった時代には、憩いの場はおもに男性のためにつくられました。しかし外で働く女性、結婚しない人、こどものいない夫婦も増えました。家族のかたちは変化し多様化しています。育児負担の大きさも社会に認識されました。

このような社会、家族のかたち、特に女性のライフスタイルが変化したことに都市空間づくりが対応できているかを明らかすることを、誰にとっても生活しやすい都市づくり研究の第一歩とします。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

女性が利用しやすい憩いの場を都市の中に増やす方法を具体的に示すことが研究テーマです。

対象地域を京阪神の都市部に限り、男性も含め、年代、家族との同居の有無、こどもの有無、職業の有無などの属性が異なる人を対象に憩いの場についてオンラインモニターアンケート調査を実施し、男性と女性の選好の違い、憩いの場に求めるニーズの違いなどをおおまかに把握します。

次に、女性特有の選好やニーズの内容の詳細を把握し、その理由を探るために、インタビューやフィールドワークなどの調査を行います。女性の生活はライフステージによる変化が男性より大きいといわれます。子育て中の女性、高齢女性については少数ですが先行研究がありますが、その間の年代についての調査がありません。そこで子どもが手をはなれる40代から60代の女性を中心にインタビュー調査を行い、アンケート調査の結果やインタビュー調査に登場した場所を中心にフィールドワークを行うことを考えています。

調査結果を整理して女性が利用しやすい憩いの場に必要な、都市内での立地、空間づくり、イメージづくりなどについて、ポイントとなることをなるべく沢山みつけだします。

先行研究から、公共交通や徒歩でアクセスできること、他の用事のついでに寄れること、衛生的なトイレがあること、危険を感じないことなどもポイントになると予想しています。新しい友だちに出会えること、普段と違うおしゃれに挑戦できることなど、色々考えられます。

調査の結果に基づいて、女性の選好やニーズに合った憩いの場となりうる場所を増やす方法を具体的に考えます。

Why we need your support

今回のacademistでのチャレンジは、ただ研究をすすめる資金を集めるだけでなく、女性が生活しやすい都市づくりに興味を持っていただくこと、興味のある人とつながることができるチャンスと思っています。

さらに、日本で生活するすべての女性に、そして男性にも、都市の中に女性の憩いの場をふやすこと、そして女性も生活しやすい都市づくりに関心をもっていただき、議論する機会になればと思っています。

ワンオペ育児の母親、シングルマザー、独居高齢女性など様々な年代の女性が課題を抱えながら都市で生活しています。女性の生活しやすさを端緒として男性も、そして都市で暮らすすべての人にとって生活しやすい都市づくりについて研究を続けていきたいと思っています。

クラウドファンディングを通じて得た資金は、アンケート調査、フィールドワーク調査などに使用します。今回の成果はレポートや論文としてまとめ、支援者の方々に共有させていただきます。

Recommender's comment

饗庭 伸
東京都立大学都市政策科学科 教授

女性の視点で都市空間を見直してみること、シンプルなアイデアのように見えて、あまり行われてこなかった研究ですが、レスリー・カーンの「フェミニスト・シティ」の訳出などがあり、ここ数年で大きな注目が集まっています。ジェンダー・ギャップ指数で常に低位を彷徨っている我が国を、都市空間から変えていくことにつながる、射程の長い、インパクトのある研究だと思います。たくさんの支援が集まることを願っています。

齋藤 智香子
株式会社URリンケージ 執行役員 都市・居住本部都市再生部長

私自身、都市再生に関わってきて都市計画やまちづくりを考える際に当たり前のように考えていたことが、実は会社で働く男性社会の中で培われてきたのではないかと疑問に思うことが増えました。果たして今の都市は全ての人にとって使いやすい居心地の良いものとなっているのでしょうか。きっとこの研究は、まちに携わる全ての人にとってこれまでの考えを見直すきっかけとなり、都市を使うすべての人の道標となると思っています。皆さまのご支援をお願いします。

真鍋 陸太郎
東京大学大学院工学系研究科 准教授

都市空間を皆さんはどのように捉えているでしょうか。都市空間のどのような要素が、人の気持ちに、行動に、どのように作用しているのでしょうか。これらはまちや空間を作っていく際の非常に重要なとっかかりです。さて、その際に性差は気にしていたでしょうか。アンケート調査などをマスとして男女別で集計するということはやっていますね。他方、個人個人のストーリーとして空間を捉える試みもあります。しかし、個々人へ着目した上でその方がどのようなシチュエーションにあるかを性差にも着目しながら、ある程度おおまかな「まとまり」として捉えることは少なかったかもしれない。大きな集計としての女性と、個人としての女性、そしてその中間的な大きさのまとまりとして捉える女性。そのような視点から都市・空間を見ることの新しさ、大切さ、有用さを教えてくれる研究ではないでしょうか。感じ方がそれぞれ違うだろう人々それぞれが、より幸せに暮らせる都市・空間づくりにつながる皆さまのご支援をお願いします。

粟原 知子
福井大学国際地域学部 准教授

私は自分の研究で、こどものあそび・遊び場、こどもが育つ環境などを扱っています。研究をしていると都市にこどもの居場所が少ないこと、こどもに優しくないことを感じています。こどもに優しくないことは、こそだてに主に関わっている母親にも優しくない、母親の負担を軽くするようにはできていないということかもしれないと感じます。この研究が、都市を、住んでいる人みんなに居心地のよいところにするきっかけになることを期待しています。

Paola Rizzi(パオラ・リッチ)
サッサリ大学 建築・デザイン・都市計画学部 准教授 イタリア

私は壽崎先生と、イタリアのサッサリ大学が実施した「多様性を受け止める都市計画に関する研究プロジェクト」で共同研究をしました。壽崎先生は日本に関するデータを丁寧に分析し、インクルーシブな都市計画には、都市計画の専門家のジェンダー意識、専門家の果たす役割が重要であるという結論を導きました。また都市計画を学ぶ女子学生を増やすことの重要性も指摘しました。この結果はイタリアと日本の都市計画に関わる女性に重要な意味を持つと考えます。このプロジェクトではイタリアと日本という社会背景も異なる2か国の比較をしました。このような比較研究は一般的に言って難しいのですが、良い結果を得られたと考えます。また機会を得て、共同研究をしたいと考えています。
今回、壽崎先生が日本についての研究を進めることを応援します。

Project timeline

Date Plans
2023年12月 アンケート調査作成開始
2024年1月〜 アンケート調査実施・結果の分析/インタビュー調査・フィールドワーク調査の実施 /調査結果の分析
2024年6月 日本生活学会で発表
2024年12月 調査終了
2025年 査読論文として投稿

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本プロジェクトの研究成果の謝辞にお名前を掲載します。公刊した論文等をメールで送付します。

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