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Closed ありふれた元素を用いて無限の色を「構築」する!

Monthly academist Prize 2nd adopted

NOGUCHI Shinji

北海道大学、1st year doctoral course

Challenge period

2022-11-01 - 2023-08-31

Final progress report

Wed, 30 Aug 2023 17:14:42 +0900

Progresses

10 times

Supporters

31 people

Elapsed time

Tue, 01 Nov 2022 10:00:00 +0900

第8色 【公開】プロジェクト中間報告

こんにちは。野口真司です。
いつもご支援いただきありがとうございます。

2022年11月1日より本プロジェクトが開始され、プロジェクト終了の2023年8月まで残り4ヵ月を切りました。今回はプロジェクトの中間報告として、プロジェクト開始の2022年11月1日からの研究活動における報告をさせていただきます。

・2022年11月(国際研究発表1件、アウトリーチ活動1件)
 本プロジェクトが開始されました。本プロジェクトのタイトル「ありふれた元素を用いて無限の色を「構築」する!」の通り、希少な金属資源を使用せずに発色する材料の開発を目指し研究を行っておりました。「プロジェクト詳細」に記載の通り、光吸収と周期構造による干渉の二つの要素を制御することによって発色する構造体を構築することで、既存の彩色法の課題の解決を目指しています。
11月は「実験を進めてデータ取得」を計画しておりました。概ね計画通りに活動することができ、目的とする実験データを取得できました。どのような実験をしているかというと、
・構造物を構成する粒子の合成
・合成した粒子の評価
・粒子の積層
・積層膜の形態評価
・積層膜の光学的特性の評価
などを行っていました。
 また、11月下旬にはこれまでの研究成果をオンラインの国際研究発表会にて発表しました(本活動報告ページ下部の1.1参照、以降数字は本プロジェクトの業績における該当番号を示す)。オンラインでの発表でしたが、海外の研究者の発表を見て、自身の研究の進め方や研究のまとめ方、発表の仕方などに関して大いに勉強でき、刺激を受けることができました。残念ながら発表賞の受賞などには至りませんでしたが、得られた課題を今後の研究に生かしていきたいと思いました。
 アウトリーチ活動としては、小学生が提案した発明したいものを、自身の研究活動での知見から議論、アドバイスを行うプロジェクトに参加しました(6.1)。自身が研究活動によって開発したいものを例として説明しながら、実現に向けてどのようなアプローチをする必要があるかを小学生と考えました。小学生の常識にとらわれない柔軟な発想に驚いてばかりでしたが、私も常識を覆す側になるべく、柔軟な考えで研究活動を継続したいと感じました。

・2022年12月(受賞1件、研究発表2件)
 計画通り、12月の下旬に研究室構成員全員に対して自身の研究の進捗報告を行いました。今回の進捗報告では、
・構成物に光吸収能を持たせる条件検討の結果
・構成物の組成や形態などの評価結果
・粒子の積層状態の評価結果
・積層膜の光学的特性の評価結果
を報告しました。
 また、12月は研究発表を行う機会が二件ありました。一つ目は博士後期課程学生が自身の研究について説明・発表を行う交流会がありました(4.3)。普段の学会発表では研究内容の違う人が集まって研究に関する議論を行いますが、この会は様々な専門分野の人に向けて自身の研究をわかりやすく説明する必要がありました。本プロジェクトを通じて身に着けた伝える能力のおかげで、賞を受賞することができました(3.1)。プロジェクトによって自身の研究内容を伝える能力が向上していることを感じることができてよかったです。
 二つ目として、自身の研究内容を一般市民の方に向けて発表する機会がありました(4.4)。子供からお年寄りの方まで、研究を熱心に聞いてくれたことがとてもうれしかったです。また、多くの方に応援のメッセージをいただくことができました。皆さんの期待に応えられるように、今後も精進していきたいと思いました。

・2023年1月(競争的資金の獲得2件、academist代表の柴藤亮介様と意見交換)
 春の学会に向けて引き続きデータの取得を行いました。先月の報告会でいただいた指摘やアドバイスをもとに条件の検討や、グラフの示し方や説明の仕方などを見直しました。また、自分の説明のわかりにくい箇所などを客観的に把握し、わかりやすく伝えるための方法を考えました。
 1月は競争的資金を2件獲得することができました。一つは挑戦的な研究を進めるための研究費を支援いただけるものです(4.5)。本プログラムで進めている希少な金属資源を使用せずに発色する材料の開発の研究提案が評価され、採択をいただくことができました。もう一つは学生間での共同研究にたいして支援いただけたものです(4.6)。研究成果はもちろん、研究を行うまでの計画や背景の調査が研究提案書としてある程度のレベルになってきていることを実感できました。
 また、下旬にはacademist代表の柴藤亮介様と意見交換を行いました。詳細は活動報告に記載がありますので、ご覧ください。

・2023年2月(国際会議の採択1件)
3月に学会発表を行うため、その実験、および、発表資料の作成を行っておりました。また、それと同時にこれまでの研究成果を論文としてまとめるため、論文の執筆をはじめました。その内容が国際会議で採択され、2023年6月の国際会議での発表が決まりました(1.1)。

・2023年3月(学会発表1件)
 2023年セラミックス協会年会にてこれまでの研究成果を発表しました(2.1)。(活動報告にも学会の詳細が記載されています。)久しぶりの対面での学会となりましたが、研究発表、議論を通じて、多くの方から研究を進めるうえでの意見やアドバイスをいただくことができ、大変勉強になりました。また、企業の方からも大いに興味をもっていただき、応用の余地があることを確認することができてよかったです。皆さんの期待に応えるためにも、今後も研究を頑張り、研究成果を発表したいです。

・2023年4月(日本学術振興会特別研究員 採用)
 学会でいただいたアドバイスや意見をもとに、研究の進め方を見直し、引き続き実験をしてデータを取得しました。また、4月から日本学術振興会特別研究員として採用いただき、研究活動をしています。2月に採択された国際会議の準備をするのはもちろん、国際会議などでは積極的に海外の先生方とコミュニケーションをとってコネクションを形成して、業績を出しつつ研究者として生き残っていくために必要なスキルを向上させていこうと思います。

業績
① 学会発表
 国際会議
1.1 Shinji Noguchi, Akira Miura, Kiyoharu Tadanaga. “Synthesis of ZrN-SiO2 Core-shell Particles and Investigation of Particle-stacked Films as Structural Color Materials”, ICMAT2023, A-1210, Singapore, June 2023.
1.2 Shinji Noguchi, Nataly Carolina Rosero-Navarro, Akira Miura, Kiyoharu Tadanaga. “Thermodynamical Understanding of Combustion Reactions between Metal Chlorides and Sodium Amide”, LatinXChem22, Inorg50, online, November 2022.

② 国内会議
2.1 野口 真司, 三浦 章, 忠永 清治. 「ZrN-SiO2コア-シェル粒子の合成と粒子積層膜の構造色評価」, 日本セラミックス協会 2023年年会, No. P130-1, 神奈川, 2023年3月.

③ 受賞
3.1 野口 真司.「ポスター賞」,博士学生のための異分野交流会「無害かつありふれた元素からなる色あせない材料『融合発色体』作製への挑戦」, 2022年12月.
3.2 野口 真司.「第59回 リバネス研究費 incu・be賞 奨励賞」, 株式会社リバネス「ハイドロゲルを鋳型とした機能性無機化合物エアロゲルの合成法『ハイドロ-エアロ法』の確立」, 2023年4月.

④ その他
1. 野口 真司.「上札内小学校×北海道大学協同プロジェクト」参加, 2022年10月— 2022年11月.
2. 野口 真司. アカデミスト株式会社 academist Prize 採択, 2022年11月— 2023年8月.
3. 野口 真司. 「無害かつありふれた元素からなる色あせない材料「融合発色体」作製への挑戦」, 博士学生のための異分野交流会, 北海道, 2022年12月.
4. 野口 真司. 「ダブルネットワークゲルを用いた酸化チタンの網目状形成と光触媒材料としての利用検討」, サイエンスフェスタ2022, No. 42, 北海道, 2022年12月.
5. 野口 真司. 「挑戦的研究支援」採択, 2023年1月
6. 野口 真司. 「学生共同研究支援」採択, 2022年1月
7. 野口 真司. 日本学術振興会特別研究員 採用, 2023年4月— 2025年3月.

参考文献
1. Shinji Noguchi, Jin Odahara, Hayato Sakai, Nataly Carolina ROSERO-NAVARRO, Akira Miura, Kiyoharu Tadanaga, “Combustion Reaction between Transition Metal Chlorides and Sodium Amide and their Ignition Temperature”, Inorganic Chemistry, 60, 17, 12753-12758, 2021.

今後もご支援宜しくお願い致します。

野口 真司 Tue, 16 May 2023 23:59:45 +0900
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