さきほど、プロジェクト金額を達成しました!!ご支援ありがとうございました!!
柴藤亮介
現在の病原微生物に対する医薬品は、有機化合物が主流です。しかしながら私たちは、新しい医薬品を作っては微生物が対応し、また新しい医薬品を作っては対応されるという「いたちごっこ」を繰り返してきました。どうすればこの問題を解決できるのでしょうか。
私はそのヒントは、無機化合物にあるのではないかと考えています。一般的に有機化合物は、炭素原子により分子骨格が作られていますが、無機化合物にはさまざまな金属元素を導入できるため、元素間の多彩な結合から多様な構造を創り出すことができます。これまでの抗菌、抗ウィルス剤は基本的に有機物なので、微生物たちは有機物への対応は慣れていると考えられますが、突然金属元素が出てきたら戸惑うはずです。私は無機化合物を医薬品開発に活かすことで、この「いたちごっこ」に決着をつけたいと考えています。
私が注目している無機化合物は、ポリ酸です。ポリ酸とは、モリブデン、タングステン、バナジウムなどの金属原子と酸素原子が規則的に配列した無機金属酸化物クラスターです。金属元素を中心原子として、そのまわりに酸素原子が配位した正四面体、正八面体等の多面体構造が基本単位となり、多面体の稜、頂点、面を共有し、脱水縮合することで合成されます。通常の金属酸化物は無限に続くバルク構造ですが、ポリ酸はそれ自身が独立した分子として存在できる点が最大の特徴です。
私は特に、ポリ酸の無機医薬への応用に関心があります。薬理活性を持つポリ酸のなかには光学活性なポリ酸があるのですが、光学活性なポリ酸は「ラセミ化」によって互いに鏡像関係をもつエナンチオマー(左型と右型)が発生し、その2つがあることで光学活性が打ち消されてしまいます。結果として、単一のエナンチオマーが持つであろう高い薬理活性を利用できないことが現在の大きな課題です。光学活性なポリ酸の無機医薬への応用を実現するには、ポリ酸の光学活性なエナンチオマーを単離して獲得する方法、あるいは合成法の知見を整備することが必要になります。
そこで私は、ラセミ化を止めるための研究を進めてきました。度重なる試行錯誤の結果、アミノ酸のひとつである「プロリン」をポリ酸に混ぜることで、ラセミ化を止め、光学活性を持つポリ酸を合成することに成功しました(詳細は academist Journal の記事をご覧ください)。しかしポリ酸はひとつではありません。今後は、私がこれまで培った知見を活かしながら、光学活性を持つポリ酸の単離法を開発し、薬理活性を持つポリ酸を絞り込んでいきたいと考えています。
薬理活性を目指したポリ酸の研究は、研究者人口も少なく、研究費も潤沢とはいえない状況です。そこで今回、ポリ酸研究の現状と将来の可能性を発信することで、ポリ酸研究を盛り上げていきたいと思い、チャレンジを決めました。私は自分の研究を基盤に、現在世界的に問題となっている新型コロナウィルスの医薬品はもちろん、今後迫りくる新しい病原微生物の脅威にも対応できる新しい研究領域「光学活性無機医薬品化学」を切り拓き、世界を先導していきたいと考えています。
サポーターの皆さまには、なるべく楽しんでいただけそうなリターンをご用意しております。研究内容や進捗に関する専門性マックスのレポート、サポーターの皆さま同士の交流、論文・学会発表時の謝辞への掲載です。このクラウドファンディングを機に、さまざまなバックグラウンドを持つ方々とお知り合いになれることを楽しみにしていますし、皆さまが交流を深められる場を作っていきたいと考えています。ご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
飯島 淳
時期 | 計画 |
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2020年8月 | クラウドファンディング挑戦 |
2020年 10月~12月 |
実験1
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2020年12月 |
論文投稿、学会発表
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2021年 1月〜5月 |
実験2
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2021年 6月〜7月 |
実験3
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2021年8月 | クローズド研究会発表 |
理系研究室で行う進捗報告会でレジュメとして配布するレベルの研究進捗レポートを作成し、お送りいたします。並びに、進捗中のポリ酸の画像をさしあげます。ご支援宜しくお願い致します。
11人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
1,000円リターンにプラスして、支援者の皆様限定のコミュニティを企画致します。皆様方でこの研究についてだけでなく、科学に関して色々とお話できればと思います。ご支援宜しくお願い致します。
4人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
上5,000円リターンにプラスして、オンラインでの研究報告会(2021年8月土曜)を行います。まだ学会・論文発表をしていない成果を分かりやすく、現在の研究進捗とともにご報告致します。また、皆様からの活発なご意見を賜り、その後の研究に生かしたいと思います。ご支援宜しくお願い致します。
6人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
上記のリターンにプラスして、学会発表・論文謝辞に、支援者皆様のお名前を掲載し、研究を進めさせて頂いたお礼をさせて頂ければ幸いです。ご支援宜しくお願い致します。
0人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
上記のリターンにプラスして、可能ならば対面で、もしくはオンラインで研究に関するディスカッションを行う機会を提供させて頂きます。忌憚なき意見を賜り、研究の進捗に大きく寄与するようなお話の場合は、それを研究に反映させて頂きます。その成果は、学会発表・論文発表の際に、謝辞ではなく、発表者として載せさせて頂く場合もございます。ご支援宜しくお願い致します。
2人のサポーターが支援しています (数量制限なし)
当サイトは SSL 暗号化通信に対応しております。入力した情報は安全に送信されます。
気合いの入った研究レポート(PDF版)+ポリ酸の壁紙
11 人 が支援しています。
(数量制限なし)
サポーター限定コミュニティにご招待 / 気合いの入った研究レポート(PDF版)+ポリ酸の壁紙
4 人 が支援しています。
(数量制限なし)
オンライン研究報告会にご招待 / サポーター限定コミュニティにご招待 / 気合いの入った研究レポート(PDF版)+ポリ酸の壁紙
6 人 が支援しています。
(数量制限なし)
論文謝辞にお名前掲載 / オンライン研究報告会にご招待 / サポーター限定コミュニティにご招待 / 気合いの入った研究レポート(PDF版)+ポリ酸の壁紙
0 人 が支援しています。
(数量制限なし)
個別ディスカッション権(60分) / 論文謝辞にお名前掲載 / オンライン研究報告会にご招待 / サポーター限定コミュニティにご招待 / 気合いの入った研究レポート(PDF版)+ポリ酸の壁紙
2 人 が支援しています。
(数量制限なし)